細かく訳せば「あっちのほう」・「こっちのほう」といった「さあ」=「方角」ということになるのだけれど、そこまで厳密には使われてはおらず単純にあっち・こっちという使い方がされている。
「さあ」は「あっち」・「こっち」に限らず「右んさあ」・「左んさあ」とかいった「ほう」という使い方は多用されている。
蛇足だが「田中さあ」とかいった「さん」という意味の「さあ」も存在する。
なお、「あっちんっさあ・こっちんさあ」という言い方は「ぞんざいな言い方」という印象があり、多少なりとも丁寧に言いたいのであれば「あそこんさあ・そこんさあ」を使うのが普通か。
例文
「どっちにするよお。」
(どっちにするの?)
「うーん、あっちんさあは駅近くて通うに楽だし、こっちんさあはコンビニ近くて生活するに楽だいね。悩むやあ。」
(うーん、あっちの方は駅が近くて通うのに便利だし、こっちの方はコンビニが近くて暮らしやすいんだよなあ。悩むなあ。)
「あんた楽するこんばっか考えてるだねえ。」
(楽な事ばかり基準に考えるんだねえあんたは。)
「いかんだ?」
(駄目なの?)
「いかんくはないだろうけど。」
(駄目ではないだろうけど。)
「選ぶに他になにあるっつうよお。」
(他にどんな選ぶ基準があるってんだよ。)
「お隣さんどういう人かみたいな。」
「んなもん住んでみにゃ分かりもしんに。」
(そんなの実際住んでみないと分からないだろうが。)
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