「おこれる」は「怒れる」の言い方のひとつでもしかしたら共通語の範疇なのかもしれない。
しかし「おこれてくる」とくるとなると方言っぽい感じがするのだが。
直に訳せば「怒りが湧いてくる」ということになろうか。
ニュアンス的には「ムカムカしてくる」・「むかっ腹が立つ」といった感じである。
「おこれる」は「イラッと来る」といった瞬時な勢いだが
「おこれてくる」はじわじわと湧き上がって来る勢いという違いを感じる。
といったように「おこれる」と「おこれてくる」はニュアンスが異なる。
「人がきちんと並んでいるところに割り込んでくる奴がいると怒りを覚える」
という文章を
「人んちゃんと並んでるだに割り込んで来る奴いるとばかおこれる」
だと一言言わなきゃ気が済まないみたいな勢いと映る。
「人んちゃんと並んでるだに割り込んで来る奴いるとばかおこれてくる」
では怒りを覚えずにはいられないが具体的な行動に至るかどうかは状況による勢いと映る。
といったように怒りの強弱の程度にも差が出る。
「おこれた」と「おこれてきた」も同様。
他にも違いとしては
話しの蒸し返しというか以前の出来事に対しての怒りの再燃とかでは「おこれてくる」を使う事が多い。
まあ「今でもおこれる」と一言付け加えれば「おこれる」も使えるが。
例文
「ホントあいつ人んゆうこん聞かんもんでおこれてくるやあ。」
(まったくもうあいつは人の言うこと聞かないからムッとくるよ。)
「まあそうゆわすとを。あんなの可愛い方だらあ。」
(まあまあ落ち着いて。あの程度なら可愛い方だろう。)
「どこが可愛い方っつうだあ。」
「聞く耳持たんだけならまだましだって。自分のやりかた押し付けて来るよりかずっかましだらあ。」
「んなのおこれてくるじゃ済みもしん。」
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