遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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洋服を着せるの「着せる」ではない。無賃乗車の「キセル」でもない。
蓋を被せると言う意味。つまり「被せる」・「蓋をする」という意で「きせる」という表現を遠州ではするという事である。漢字でどう書くかは知らない。
例文1
「のりしっけちゃうでちゃっとふたきせて。」
(海苔が湿るから直ぐ蓋をして。)
例文2
「あれえ出んよお。どーして?」
「そりゃあふたきせたままだもん。出る訳ないらあ。」
例文音声はこちら
蓋に限定されるかどうかは不明だが「栓をする」という場合でも「栓きせる」と使われることがある。
話しは若干飛ぶが上記の「きせる」とは別物としての「着せる」という言い方。上記での「車にカバーきせて」という場合もし「被せる」という意の「きせる」ではなく「掛ける」という意での「着せる」だと車を擬人化してる風にも聞こえてくる。こういう言い方は例えば「お人形さんにけっこい服着せる」とかいう使い方で存在する。
で、この「着せる」。共通語に訳すと「着させる」という事になるかというと微妙ではある。つまり「着させる」だと「着るようにさせる」という使役(やらせる)というニュアンスが強くなり遠州弁での「着せる」は「させる」ではなく「する」という意味合いの方が強い言い方もあるのである。
つまり使役の助動詞「す」の未然形の「せ」ではなくサ行変格活用動詞の未然形である「せ」という方がニュアンスが近いと思える。
遠州弁でやらせるという意の場合「着さす」という事が多い。「着せす」という言い方もあってこちらなら「せ」は使役の助動詞「す」であると思われる。どちらも使うということで解釈(聞き取りよう)によっては勘違いされやすい言い回しではある「着せる」というのは。