遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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温い(ぬくい)と言う表現は共通語であるが「ぬくとい」となると方言になるらしい。
従って「ぬくとめる」も当然方言ということになる。
意味は温める(あたためる)という意味。でも共通語で「ぬくめる」なんて言い方あるのかは疑問ではある。
ニュアンス的には人肌程度と受け取れ、決して沸騰させるほどの程度ではない。
遠州弁では人肌で暖められたようなものが「ぬくとい」で火をくべたりして温めたもたのが「暖かい」で熱過ぎると感じるのが「ちんちん」という使い分けであろうか。
日差しを指す場合は「ぽかぽか陽気」・「小春日和」辺りが「今日はぬくとい」ということになろうか。
食べ物に「ぬくとめる」を使うと「温め直し」みたいな印象を受けるのは私だけだろうか。
例文
「大昔に給食に出とった脱脂粉乳なあ。あれぬくとめとかんと飲めたもんじゃないだにい。」
「なんで?」
「ちっとでも冷めると膜張って。それん飲むと白いヒゲみたく上唇につくだよ。」
「それって美味かっただけえ?」
「あれん美味いなんちゅう奴聞いたこんないやあ。」
例文音声はこちら
使い方は
「もちぬくい」
「開けぬくい」
「温い」の方の「ぬくい」とは別物。
「しにくい」を「しぬくい」と発すというものである。
「に」を「ぬ」に変える効能はというと
よく分からんし、かえって言いにくかったりもする。
例文
「このはさみ ばか切りぬくいやあ。なんで?」
(このはさみとても切りにくいなあ。どうしてだろ。)
「そりゃああれでえ、持つとこえがんでるもんでもちぬくくなっちゃってるもんでだらあ。」
(そりゃああれさ、持つ部分が歪んでて持ちにくくなっちゃってるからだろう。)
「なんで えがんでるだよを。」
(どうして歪んでんだよ。)
「蓋ん がんこ固くにきせてあったもんで柄んとこ栓抜き替わりに使ったらそうなっちゃっただいね。」
(蓋が大層固く閉めてあったので柄のところを栓抜き替わりに使ったらそうなっちゃったんだよね。)
「ばかっつらじゃん。」
(ばっかじゃないの?)
例文音声はこちら
なお、とあるところでは「もちぬくい」(もしくは「もちにくい」)を「体調がすぐれない」とかいった意味で使う地域もあるようだが、うちらんとこではそういう使い方はしなかった。