遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
時代劇なんかで「成敗してくれる。おぬしそこになほれ」とかいうセリフで使われる「なほる」。当然だが読み方は「なおる」。漢字で書くと「直る」。
「そこになほれ」を訳すと「そこに座れとか正座しろ」とかいうことになる。ただ座れと言うことではなく姿勢を正せとかいうニュアンスに聞こえる。
時代劇では「かしずけ」とか「平伏しろ」みたいな印象のシーンでよく使われているけれど遠州弁では「きちんとしなさい」という意味合いで使われていて使いどころは異なる。
いまこの使い方が残ってるとすれば「居直る」であろうか。
「居直る」という言葉は、急に威圧的な態度になるみたいなニュアンスとして今も使われているが、それとは別に、座りなおして姿勢を正すという意味も昔はあったようである。今だと「居直す」と言われたほうがすっきりするのだがそういう使い方はないので開き直ると同じような使い方が今では普通なのであろうか。
他には、気をつけ礼直れ休めの直れであろうか。他にもまだあるのかな思いつかない。
遠州で上記以外で使っているような表現があるかどうかということであるが、「直す」・「正す」とかが使われるので流石に「なほる」は使っていないなあと。
使い方としては「そこすわんない」が「そこなほんない」とかになるのかな。ただ座れというよりも若干かしこまれな要素を含む言い方であるのでそういわれて足を崩したような格好で座ったりなんかすると印象を悪くすることもある。
例文
「おおええとこきた。まあとりあえず座りい、そこなほんない。」
「直んないとこなんかに座らすなや。」
「てんめえぶっさぐるぞ。」
「なんでそんな急に怒るよを。」
とまあとりあえずそこに座って神妙にしてろと抑え気味で言ったつもりが通じてなくて逆にもっと火をつけたみたいな。