遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「足らず分」→「足りない分」となる。共通語だろうけど世迷言(嗚呼勘違い)かもしれないが若干使い所がという事で記載。
まあ実際普段使いで殆ど言う表現ではないのだが確かに使い手は存在するので。
基本かどうかは定かではないし私だけかもしれないが大抵はお金が不足するやりとりの中で発せられる事が多い。したがって
「材料の足らず分は他で代用すりゃいいじゃん」
とかいう言い方は全国的にはされているようだが強引かもしれないが遠州では殆どしないところである。こういう物に対する場合には「たらんぶん」(足らん分)という言い方をすることが多いのではなかろうか。
「材料ん足らん分他から持ってくりゃいいじゃん」
「材料費の足らず分は他から持ってくりゃいいじゃん」
とかなら言う。もちろんなんでもかんでも「たらんぶん」・「たりんぶん」で済んでしまう事は確かだが。
例文
「これいいだいねえ。前から欲しいたあ思ってただけえが高くて手え出えへん。」
「なにい、そんなに欲しけりゃ、たらずぶんはわしん払っちゃるにい。ええで買いない。」
「え~いいの?でもそれじゃ悪いじゃん。」
(え~?いいの?でもそれじゃあなんか申し訳ない風に思えるんだけど。)
「ええよ。ここで恩売っときゃ後後なんかで使えるかもしれんで。」
「ホントにい?悪いやあ。じゃあ5万円だで、5万くりょ。」
「ちょっと待て、どこが足らず分だあ!まるさらじゃんか。」
「ふんだだことあらすかあ。消費税分は手持ちで払えるもん。」
「なんかこうなると『貸り』なんて気はさらさらなさそうだなあやあ。」
「いやっ?今日はいい人だあと想うに。」
(そんなことないよ。今日はいい人だなあと想うもの。)
「今日は、かい。じゃあ止めっ!」
「しまった。買ってからゆやあよかった。正直者は損こくなあ。」
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