遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
直訳すると「そうすると際には」。ニュアンスから訳すと「つまりは」・「そうするとだなあ」など。「そうした時の際には」の変形と考えるのが妥当か。
なにかの話しを聞くなり見るなりしての反応というか自分の立場を述べるような時とかに発せられる言い回し。後に続く言葉を合わせると
「そうするとさいにゃ あれでえ」
「そうするとさいにゃ なんでえ」もしくは「なんだ?」
といった感じで歯切れが良くはない事が多い。というのも余りよく分かっていないか深くは関わりあいたくないことによる及び腰であることが伺えるからである。
したがってこう言われたら、理解・納得したかどうかは疑ってかかった方が無難ではある事が多い。
もちろん「そうするとさいにゃ おんしゃ大変じゃん」(そうなるとお前が大変になるだろう)みたいな「成程じゃあ一旦整理してみるとだなあ」という使い方もある。
どちらに転ぶかは次に続く言葉のよるということである。
はっきり自分なりの答えがあるような時には「そりゃあれだらあ」と言う事が多い。
例文
A「なによを。おんしゃらなに揉めてるでえ。」
(どうした。お前ら何を揉めてるんだ?)
B「いやあこいつんやりよう馬鹿変だもんでやめよをっつってるだん、聞きゃあせんもんでやっきりこいてるじゃん。」
(いやね、こいつのやり方がおかしいから止めろって言ってるんだけど聞かないからむっときてるんだ。)
C「なにゆってるだあ。今までこれでずっと通してきたのを何で変だなんてゆわれにゃかんだあ。」
(なに言ってんだよ。今までずうっとこれで通してきたのを何で変だななて言われなきゃいけないんだ?)
A「まあそりゃ確かにそうだわなあ。」
B「はあ昔ながらの仕事してたじゃかんだあ。電卓の時代にそろばん使ってるようなもんじゃないか。」
(もう昔ながらの仕事していたんじゃ駄目だろ。電卓の時代にそろばん使ってるようなものじゃないか。)
A「まあ楽になりゃそれに越したこたあねえでの。」
(まあ便利になればそれに越したことはないからね。)
C「そんなこんゆうけどやあ、そおゆうおんしゃこそどう思うよを。」
(そんな事言ってるけどそういうお前はどう思うんだよ。)
A「わしけえ?ん~。Bのいう通りに変えるとするわなあ。そうするとさいにゃなんでえどうなるよを。」
(俺かい?そうだなあ。Bのいう通りに変えるとするわなあ。そうなるとつまりは具体的にどうなるんだ?)
B「なんだよよく分かりもせんで相槌うってただか?」
(なんだよそれ。よく理解してないでうんうん頷いてたんかい。)