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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

ちいと・ちっと・ちっとばか

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ちいと・ちっと・ちっとばか

ちょっと・少し・少しくらいという意味。「ちっとばか」の「ばか」は「馬鹿」ではなく「ばかり」の略。文章によってニュアンスが変わったりするので説明しづらいところはある。

「そんなちっとばかのこんでひゃあひゃあ言わんだってええら。」

  (そんな些細な事で鬼の首取ったみたいな事言わなくてもいいじゃないか。)

こういう場合で「ちいと」や「ちっと」を使うと言われる程の事じゃないという意識に聞こえ「ちっとばか」だと言われても仕方ないけど大目に見てくれやという意識があるように聞こえる。

「そういう話ちいと耳にしたもんでさあ。大丈夫だかいやあと思って見い来ただよぉ。」

  (そういう話を小耳に挟んだものだから、心配になって見にきたんだ。)

江戸だと「ちょいと小耳に」となるところだけど、うちの集落だと「ちょいと」はあまり使わない。「ちいと」には「なんとなく・概要・おおまかに」というニュアンスが籠もる傾向があり詳しくは知らないという感じに聞こえる。

これが「ちっと」となると出所は教えたくないけどといった意味合いに聞こえ内容に関してはある程度は知っているといった感じになる。

では「ちっとばか」だとどういうニュアンスになるかというと、「ちいと」と大して変わらない「聞きかじった」という感じに聞こえる。

「たのむでえ、もうちっと寝かいて。」

  (お願いだからもう少し寝かせて。)

この場合「ちっとばか」をはめる場合文章をいじらないとはまらない。例えば「もうちっとばか寝かしてくれてもいいじゃん。頼むう。」といった風に。

「ちいと」だとえらく年寄り臭い感じになる。

「ちいと」も「ちっと」も特に遠州弁固有というものではないが頻度の多さから遠州弁的といえる言い回しと思える次第。

「ちいと話し聞いて」と言うのと「ちっと話し聞いて」と言うのとの違いを考えてみると

「ちいと」だと少し込み入った話し・大きな声では言えない話しといった改まった雰囲気が醸し出される。

「ちっと」だと少しの時間・片手間でいいからなどといった勢いが感じられる。

「ちょいと」と「ちょっと」の違いみたいなものといえなくもない。

次に「ちいとは気を使えやあ」と「ちっと気い使えやあ。」だと

「ちいとは」だと「少しは」というもので「遠慮・配慮しろ」と言っている。「ちっと」は「ちゃんと」・「きちんと」というニュアンスで「遠慮・配慮が足らない」とった勢いになる。

別な言い方としては「ちったあ気い使えやあ。」とか「ちいたあ気い使うもんだにい。」といったものがあり、「ちっとは」・「ちいとは」の略した言い方と考えられるもので、この場合には「ちっと」=「ちいと」というものとなる。

蛇足だが遠州弁では他に「ちょっくら」というのがあるのだが使いどころが微妙に異なる。

「ちょっくら気を使えやあ」とは言わないが「ちょっくら気い使ってくるわ」とかならある。「少しばかり」という意味合いで使われる。

話し変わって、「ちいとばか いいじゃん。分けてやあ。」と「ちっとばか いいじゃん分けてやあ。」だと、

普通は「ちっとばか」を駆使するもので「ちいとばか」という言い回しをするのは珍しい。

これは先に挙げた「ちいと」=「ちょいと」・「ちっと」=「ちょっと」という理屈を通すと「ばか」は「ばかり」・「ばかし」の略形で意味は「~ぐらい」ということなので「ちょいとぐらい」と「ちょっとぐらい」と置き換えることになる。で、「ちょいとぐらい」なんて言い方が変だということになるからである。

しかし「ちいとばか分けてくれんかねえ。」と「ちっとばか分けてくれんかねえ。」だと逆に「ちっとばか」という言い方よりも「ちいとばか」を多用するものである。

「ちいとばか」だと「ほんの少し」という意であるが「ちっとばか」だと「少しくらい」という意になって少しくらいいいじゃないかという風に聞こえる。

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