遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「凄く頭に来る」と言っている。ただし遠州弁での怒りのレベルでは「プンプン」に毛が生えた程度のものであろうか。むしろ「あたまくる」・「あったあきた」(頭にきた)の方が「カチンときた」クラスという怒りレベルが高いのは不思議なところではある。当然個人差もあろうが。
まあ「どえらいわあ」(とてもしんどいよお)と「えらいわあ」(しんどいんだ)みたいなもので大袈裟に聞こえる分うそ臭くなるというところの妙であろうか。
「ど」ではなく「ばか」を使う「ばかあたまくる」。どう違うのかというと、大して変わらない。どっちを使うかは人それぞれであろうしその強弱についても人それぞれであろうか。
強いて違いを探せば「どあたまくる」は「むかつくなあ」という不満で「ばかあたまくる」は「やってられない」に近い不平というニュアンスの違いであろうか。
例文
「なにちんぷりかあってるでえ。」
(なにふてくされてんだよ。)
「ランチ○○と喰い行っただよ。で、わし好きなもん最後に喰いたい人だもんでグリーンピース後までくろに寄せて残いといただよ。ほしたらあんの野郎『食わんだけえ?』って言ってるうちから人の皿からかっさらっていきゃあがってよを。も~どあたまくる。」
(ランチを○○と食べに行ったんだ。それで自分好きなものを最後に食べる主義なんでグリーンピースを端に寄せて残していたんだ。そうしたらあいつ「食べないのかい?」って言ってるそばから横取りして食べちゃったんだ。ホントむかつくわあ。)
「そりゃしょんないらあ。普通グリーンピース残しゃ嫌いだと思うにい。」
(そりゃあしょうがないだろ。普通はグリーンピース残せば嫌いだと思うよ。)
「そんなの知らすかあ。ど怒れるやあ。」
(そんなの関係ないよ。あ~むかつく。)
「ゆっただけ?ばかっつらって。」
(そんなことするなって注意したのかい。)
「ゆったさあ。ほしたら『あっそう。』で終いだにい。はあやんなっちゃう。」
「一回やりゃあおぼわさるらあ拙かったって。次からは大丈夫だで許いてやんない。」
(一度失敗すれば覚えるだろう。これで懲りただろうから許してあげなよ。)
「ばかこいちゃかんて。これで二度目だでねえ。」
「おおそうけ?そんじゃもう行かんこんにするしかないの。」
(ああそうなの?それじゃあもう一緒には行かない事にするしかないね。)
「おお、そうするわ。」
この文章を「ど」を抜いて「頭くる」・「怒れる」とすると本気でむかついているという感じとなる次第。