遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「え?あんた独身かあ?結婚してるじゃないぃ。」
これを共通語に直すと
「え?あなた独身なの?結婚してるんじゃないの?」
となる。「じゃないぃ」は「じゃないんだ」とも訳せなくもないがニュアンス的には「あっそうなの」といった「へえ~」という感じよりも「ホント?」といった疑問符をつける方が近いので「じゃないの?」若しくは「じゃないのか」とした方がよいのではなかろうか。
「ないぃ」を分かりやすくすると
「え?あんた独身かあ?結婚してるんじゃないいんか?」
とでもすれば分かりがいいだろうか。それの略されたようなものである。勝手な憶測だけど。
こうした言い回しが遠州独特かというとそんなことはないだろうな。関西辺りの「ちゃうんか」・「ちゃううん」と同じ傾向と思われるので関西寄りの言い回しが遠州でも使われてるぞという事なのであろうか。ただし関西風だと「ないいん」となるのであろうが遠州では「ないぃ」となるところが異なるところではある。
「い」を伸ばしての「いー」という長音化というのではなく「いい」と発音している。「ないのかい」の略された言い回しと勘繰れなくもないところであるが根拠は全く無い。
発音を説明するのはなんか難しくてずうっと言ってるとあれ?どうだったっけ?と訳わからなくなる。それだけ無意識に発している表現である。男女共用。
例文
「あれえ、なによをあんた。帰ったじゃないぃ。」
(え~?あなた帰ったんじゃなかったの?)
「なによをいちゃかんだけえ?」
(なにそれ?居ちゃいけないの?)
「ふんだだこたあないけどそんな口ぶりだったじゃん。」
(そんなことはないけどそんな口ぶりだったじゃないの。)
「いつう。」
(何時言ったそんな事。)
「さっき。」
「どこでえ。」
(何処で言った?)
「トイレでえ。やっちゃおれんつってたらあ。」
(トイレで。もうやってられないって。)
「職場の話しじゃんここの話しじゃありもしん。なに聞いてるよを。」
(職場での話しでしょそれは。勘違いしないでよ。)
「あ、そうなの?」
(あ~そうだったんだ。)