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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

なによをそれ

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なによをそれ

直訳すれば、なんだよそれ。

ニュアンス的にはその話に食いついたという意思表示みたいなものであろうか。

「詳しく聞かせろ」という意味として訳した方が判り易いか。

共通語的なそれは何?という質問の意味の場合は遠州弁だと「それなによお」・「なんでえそれ」とかになる。

「なんだよそれ気味悪い。」とかいう表現の場合遠州弁だと「なにいそれえ気味ん悪いい。」もしくは「なにそれ気味悪い」(なにい・それえという風に伸びずに言い切る)と言った風になることが多い。もちろん「なによをそれ気色悪い。」という使い方もするので「食いついた」意思表示専用の表現ではない。

この表現における味噌は「よを」ということになる。

例文

「やあ。うちんとこの部長が食堂であだけてるってや。」

  (ねえねえ。うちのとこの部長が食堂でわめいてるってさ。)

「なによをそれ。」

  (なにがあったんだ?)

「よくは知らんが食券買っただけえが売り切れでごめんなさいだに、それんなんか知らんが気に入らんかったらしくてサービス悪いとかこいて頭きたで絶対出せって無理ゆってるだって。食堂のおばちゃんも相手ん部長さまだもんでおうじょうこいてるらしいよ。」

  (詳しくは知らないんだけど。食券買ったけど売り切れだったんだって。それがどういう訳か気に障ったらしくてサービス悪いとかいってわめきちらして出すまで納得しないって言ってるんだって。おばちゃんも相手が部長さまだから困り果ててるらしい。)

「まさしく部長の食券乱用ってとこか。」

「あんまりうまかねえなあ。」

「なにい、元々美味くありもしんにあそこ。だで丁度ええだって。」

  (え~?元々あそこ美味くないんだからこれくらいの洒落くらいで丁度いいだろ。)

「・・・はあええ。」

  (・・・もういいよ。)

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