遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「あんまり」と言っている。特に地方性が強い訳ではないよくある言い回しであろうが、世代を問わずよく使われるので記載。男女共用。
例文
「おめえあんだけぎゃあつく課長にゆわれても屁とも思わんだなあ。感心するわあ。」
(君はあれだけこっぴどく課長に叱咤されても屁とも思わないんだなあ。感心しちゃうよ。)
「まあね、いちいちゆうこと真に受けてたら体持ちもしん。だで他の事考えてあんま聞いてんようにしてるだよ。昼何喰わすかなあとか。」
(まあね、いちいち言われた事真に受けてたら体が持たないだろ?だから別の事頭に浮かべて殆ど聞かないようにしてるのさ。例えば昼飯何にしようかなあとか。)
「でも、てめえの代わりなんていくらでもいるだでなあ、みたいな事ゆわれてたじゃん。あれきついらあ。」
(でもお前の代わりなんて幾らでもいるんだぞ!みたいな事言われてたじゃない。あれはこたえただろ。)
「課長もねっつったら黙った。」
(課長もねって言ったら黙った。)
「そうゆうとかあ返すだなあ。」
(そういうところは返すんだね。)
「ツボは押さえんとな。」
音声はこちら
「あんまり」は辞書では「余りの強調表現・俗語」と書かれてある。感覚的には「あまり」という方がきっぱりしていてむしろ「あんまり」という方がぼやかしている感じがするのだが気のせいだろうか。というか「あんま」には「余り」というニュアンスよりも「ほとんど」というニュアンスの方が近いのかもしれない。
「あんま聞いちゃいん」だと「しっかりと聞いてない」という感じでつまりほとんど聞いてないすっとぼけみたいな。
「あんまし」という言い方も使われるが遠州弁としての使い方では「あんま」とは微妙にニュアンスが異なる使い分けをしている。
「あんま好きじゃないだよね」
「あんまし好きじゃないだよね」
という場合だと些細な違いであるが苦手度合いは「あんま」の方が強い印象を与える。その違いを訳してみると
「どうも好きじゃないんだよね」又は「いやあ好きじゃあないんだよ」
「どちらかというと好きじゃないんだよね」又は「う~ん好きじゃないんだよ」
みたいな。つまり辞書での意味的にいえば「あんま」は「あんまり」で「あんまし」は「余り」の変化したものといった感じか(なんか違和感あるけど)。なので食べさせようという場合
「あんま」と言われた場合「喰わにゃ駄目だに」みたいな強い押しで言わなくてはならない。
「あんまし」と言われた場合「そういわすと喰いない」のような言い方で済む。
みたいな。