遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「いごく」漢字にすると「動く」
「よし!はまった。これでいごくら。」
(よし!はまった。これで動くだろう。)
「ほんとにぃ?なんか信じれんだけど。」
(本当かよ?なんか信じられないんだけど。)
「ええでスイッチおしてみない。」
(いいからスイッチ押してみなよ。)
「おお!いごくいごく。」
(おお動いた動いた。)
「ほれみっせーちゃんといごくら?」
(どうだあ、ちゃんと動くだろ?)
音声はこちら
「いのく」は当て字として「居退く」と書けば分かり易い。自然と移動するのではなく、なんらかの力が作用して(強制的に)移動するというニュアンスで使われることが多い。
「あれえ?変だやあ。」
(あれ?おかしいなあ。)
「なんでえ。どうしたよー。」
(ん?どうかしたの?)
「それがさあ、このつくええ、なんか知らんがいのいてる気んしん?」
(いやね、この机なんだけど、なんか移動してる気がしない?)
「気のせいだら。いのくんしたって誰んいごかすっつーよ。」
(気のせいじゃない?移動したとしても誰が動かすっていうんだ?)
音声はこちら
「のく」は「退く」立ち退くの「退く」である。
「いごく」ではなく「いのく」を使うと意思を感じるものである。この例文だと机の意思が働いたみたいな感じとなる。
「退く」は共通語だが使い方が、「のけもん」(除け者)の「除け」とごっちゃ混ぜになった感じで使われている。
「はよのけやー」
(早くどけ!)
「なんでのかんとかんだあ。駐禁じゃありもしんに。」
(どうしてどかさなきゃいけないんだ。駐車禁止じゃないだろ。)
「屋台通るだで邪魔くさいだあ。」
(祭りの屋台が通るから邪魔なんだよ。)
「てめえしょろしょろしとるとぶっさぐるぞ。すぐのけ!」
(てめえぐずぐずしてるとぶん殴るぞ!すぐどけ!)
「ちょっとまっちくりー、ほいたらそん前んこれのけんとかんで。」
(ちょっと待ってね、それならその前にこれをどかさないといけないもので。)
音声はこちら
浜松祭りの時期は凧と屋台が一番偉い。なので理不尽な言いがかりであっても凧と屋台の邪魔になると判断されたら例え正論であっても却下される。他所から観光で来た人に対してもそうなので注意が必要である。お客の前でエエとこ見せようなんて気はさらさらないので観光客を集めるためのイベントでは決して無い。
あくまで想像であるが遠州弁における「いごく」は「いのく」(居退く)と「うごく」(動く)がごっちゃ混ぜになってしまった表現なのではなかろうか。