遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「柏餅」(かしわもち)の事。
「餅」を「あんもう」という土地柄であるが、「かしわあんもう」という事は多分言わない。
普通は「おかしわ」と言うのが当たり前の景色である。こういう言い方が遠州独特かどうかは定かではない。
「柏」だと「鶏肉」という使い方をしたりもするので他所の人に発したら「おかしわ」が「鶏肉」の事かと勘違いされたりする可能性は確かに高いな。でも「柏餅」の事なんだよなあ遠州では。「お」を抜いて「かしわ」であれば鶏肉と思ったりもするけど「おかしわ」は「柏餅」以外の何物でもない。
ちなみに鶏肉やしいたけ・筍とかを具とした炊き込みご飯のことを遠州では「とりめし」と称す人が多く「柏飯」という人はあまりいない。浜松祭りでは凧場への炊き出しとして陣屋に行けばよくこのとり飯にありつくことが出来る。無論食べられるのは凧揚げてる人だけであるが。
例文
ちょっとした祝いの席。大勢の招待者を切り盛りせんとする人が給仕に向かって
「ちょっと、おかしわ持ってきてくれん?」
暫しの後
「ちょっとを何よこれえ。鯛のおかしらなんか持ってきてえ。」
さらに暫しの後しきりに平身低頭で挨拶を済ませた後
「大工の棟梁連れてきてあんたどうするよを。おかしらじゃないにい。おかしわ。使えんねえあんた。」
さらにさらに暫しの後なにやら黄色い上着を持って近寄って来る様を見て
「まさかあんたサッカーの柏のユニフォームじゃないらねえ持ってきたの。」
さらにさらにさらさらに暫しの後ケーキ職人らしき人を連れてきた。
「お菓子屋じゃないっつうに。」
もう駄目だと思ったその人はそのお菓子屋さんに直接おかしわを注文しようとしたが
「うちは洋菓子専門なんで。」
と言われてやっきりこいたとさ。
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