遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「金持ち」の事。お大尽様の変形か?
金持ち同士が共に相手をかく呼び合うようなステータスとか称号などではなく貧乏人が発する屈折した言い回しであろうか。なので金持ち当人に向かって直接発することは余程な状況でない限りはない。ないということついでで言えば「お」を抜いて「だいさま」という言い方も「様」を抜いて「おだい」という言い方もなく「お」も「様」も抜いた「だい」という言い方もない。「様」でなく「さん」付けというのもない。あくまで「おだいさま」である。男女共用。
例文
「○○さん山手町に引っ越いただって。」
「へ~。」
「しかもあれだにいほい。家自分で借金なしで建てただってやあ。」
(しかもねえ聞いてよ。家を親とかの援助なしの借金しないで建てたんだってさ。)
「ふ~ん凄いじゃん。そんじゃあれだねえ もうおだいさまじゃん。なにやってそうなっただかいねえ。」
「さ~知らんだあ。」
「なんしょこれでつきあい無くなるこたあ間違いないね。」
「確かに。」
音声はこちら
貧乏人の言い草で金持ち同士は互いをそんな事言わないと書いたが、実際のところは金持ちなんぞ周りにも知り合いにも居ないのでそうなのかと確かめた事はないので決して確証がある訳ではないことを付しておく。
とにかく使いどころから考えるとひがみ根性のニュアンスがあるように思われる。
金持ちと言えば高台に住むというの全国的に定番であろうが浜松でもやはりその傾向はあるような気がする。
「おだいさま」を漢字で書くと正しくはどう書くのかは不明であるが、もし「御台様」ということであれば高台が関わっているような気がするのは気のせいか。でも「御台様」だと大奥の「みだいさま」になっちゃうものな普通は。
お内裏さまとお雛さまの「おだいりさま」が変化して「おだいさま」とかになったという勘繰りも出来ないではないが身分の高いことと単に金持ちとは違うのでこの理屈には屁が頭につくな多分。
「台」というよりやっぱ「大」辺りになるのかな。「大尽」の「大」ということで「お大尽様」が略されたというのが全うな考えだろうなきっと。それでもやっぱり正しいかどうかは確信ないけれど。