遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「がっくり」と言っている。とにかく気落ちした様を表現する言葉。やや男言葉寄りの男女共用。方言というより全国的に広まっている俗語なんだろうかな。遠州でも良く使われるだろうということで記載。
ニュアンスとしては「がっくし」は「がっかり」ほど陰鬱に落ち込んでいる訳ではない「ちょっとショック」みたいな軽い感じとして使われている。「がっくしこん」はそれに輪をかけて軽い感じになる。
「きっちり」を「きっちし」というのと同じ傾向で遠州弁的には性に合う言い回しなんだろうな。
例文
「はあがっくしこんやあ。」
(う~ん残念だったよ。)
「負けたのっ。」
(負けちゃったね。)
「決勝までいってくれりゃあたあ思ってただん。やっぱ世界は違うの。」
(決勝まで進んでくれたらいいのにと応援してたけどやはり世界のレベルは違うね。)
「でもあれじゃん。日本じゃなくても面白いじゃん十分。」
(でも日本戦じゃなくてもこの競技十分面白いじゃないか。)
「でも放送しんじゃん。」
(でも放送しないじゃないか。)
「だで栄えんだらあ。」
(だからこの競技が栄えないじゃないの?)
「四年に一度盛り上がりゃ御の字ってか。メディアが育てようっちゅう気ないじゃ強くなれん訳だの。」
音声はこちら
「がっくしこん」という言い方は「がっくし」よりかショックな度合いが薄れる表現である。多少軽薄なおちゃらけた物言いである。正確に訳すと「がっくりきた」であり「がっくりと来ない」という事ではない。
「がっくし」は「がっかり」か「がっくり」かどちらだという事なら「がっくり」の変形というべきものであろうが、時として「がっかり」のニュアンスとして使われることもあるのでそのちゃんぽん表現といえなくもない気がする。
辞書によると「がっかり」とは(失望などで)今までの緊張が弛んで何をする元気もなくなる様子。
「がっくり」は何かがきっかけになって急に弱る・(緊張が弛む)様子。
とまあそんな大きな意味の違いはないので目くじら立ててちゃんぽん表現の有用性の講釈しても意味無いところではあるが。
「がっかし」という言い方は「なあんだ」とか「期待はずれ」というニュアンスが強くなり「がっかり」程の失望感とは微妙に異なっている。
それと同じように「がっくし」も「がっくり」程肩を落とすようなものではなく肩透かしを食った様な程度のニュアンスになっている。まあつまり「り」を「し」に代える事でもともとの期待度ががっくりするほどでもなかったということを伝えてるということであろうか。
もちろん内心はそうでもないのだが表面上はそれほど落胆してないようにみせたい場合の空元気で使う場合もあろう。