遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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正しい訳ではないのだが「際」(きわ・ぎわ)・「がけ」。もしくは「~する時に」。方言とかではなく古い言い回しということであろうか。遠州ではまだ生きてるということで記載。男女共用。
例文
「帰りしなに声掛けてってねえ。」
(帰る時に声掛けていってね。)
「なんつやあいいよを。」
(なんて言えばいいの?)
「終わったで帰るでねえとかでいいよ。」
「了解。わし最後だったら店閉めるだ?」
「おおそのつもりでえ。」
「悪いの。無理さして。」
(無理させて申し訳ない。)
「おおええよ。とんじゃかないって。」
(いいよ気にすんな。どうってことないよ。)
例文音声はこちら
辞書にも載っていて「しな」の説明は「何かの起きるのが、ある動作が行われるのとほとんど同時(または直後)であることを表わす」とある。
やけにややこしい説明であるがそれと殆ど変わらない使い方をしているのでやはり方言というより古い日本語を未だ遠州では使っているという事であろうか。
ただ「際」という訳に辞書ではなされていないのであるが、こう訳すと違和感があまりないので「際」を使った。けど、「際」を辞書でひくと「その物事が、他と境を為している所(近く)」とある。寸前とか直前じゃなかったのね。
「別れ際」を「別れしな」というかというと理屈の上ではあるのかもだろうが普段使いしてる限りではそれはない。もちろん「生え際」・「窓際」を「生えしな」・「窓しな」などとも言わないので「際」が全て「しな」に変換できる訳ではないから正しい訳ではないようだ。
「がけ」は「寝掛けの一杯」とか「帰り掛けに寄る」とかいう使い方の「がけ」。辞書によると「その動作を始めてから次の動作に移るまでの間に何かが行われることを表わす」であるが遠州での感覚としては「帰り掛けに寄る」だと「帰るついでに寄る」という勢いであり、これが「帰りしなに寄る」だと「帰る時に寄る」という勢いの差があるように感じられる。
したがって「~する時に」とした方が無難かもしれない。「~のついで」という感じではない。
「しな」と「しながら」が同じなのかどうかということについては同時になにかするということではないからやはり違うだろうなという感じがする。
「しな」の使い方では「帰りしな」が頻繁に使われているがその他には「寝しな」・「起きしな」・「送りしな」などなどそれなりにある。