遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「舎弟」(しゃてい)自分の弟の老人語
と辞書にあるくらいだから「しゃてい」は共通語である。
実用としては全国的には893系の用語みたいな扱いであろうが
遠州ではごくごく普通の人が「弟」を指す言葉として使っているものである。
「しゃてい」→「しゃてえ」→「しゃってえ」と変化しているものである。
「しゃってえ」と言った場合は「実の弟」のみで「義理の弟」の場合には「義理のしゃってえ」となる。
で、「しゃてい」は共通語であり、「しゃてえ」となるとちょっと方言性が出てくるが、それでもいくつかの地域でも用いられていそうと思われる。
が、「しゃってえ」となるとさすがに使ってるのは遠州くらいと思える。
ちなみに駿河で「しゃてえ」と発したら引かれたという逸話を聞いた事がある。意味は通じてるがその筋系の危ない人かと勘違いされかねないそうな。駿河ではそもそもの「舎弟」は普段使いはしてないと勘繰れる。
東隣りの駿河はそうらしいが、西隣りの三河はどうなんだろな。北隣りの信州もどうなんだろ。
確認出来れば「しゃってえ」は数少ない遠州固有種と断定できることになるのだが。
なお、「しゃてい」は男女共に使うが「しゃってえ」は男のみが使うものである。
当たり前だが一応、「弟」のみを指すものであり「妹」を指すことはない。
例文
「いやあ がんこおみやげくれてありがとね。持ちきれんやあ。」
(いやあこんなに一杯おみやげ頂いちゃって、ありがとう。)
「みなきし持ってけるけ?なんなら送ってっか。」
(全部持って帰れるかい?なんなら送っていこうか。)
「ああ大丈夫。しゃってえんとこ電話したではあじき車来ると思うで。」
(それは大丈夫。弟に電話したんでもうじき車で来ると思うから。)
「そうけえ、んじゃ気いつけて。おやすみね。」
(そう、それじゃあお気をつけて、おやすみなさい。)
「うんありがとね。おやすみね。」
(本当に有り難うございました。おやすみなさい。)
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