遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「こすい」は狡いと書くれっきとした共通語。それと似たような言葉が「ずっこい」である。
「ずっこい」はずるいの変形又はずるがしこいの短縮形だと勝手に想像している。
「ずっこい」のニュアンスは共通語だと(きったねーの)・(そりゃないよ)といった少しおちゃらけた表現。冗談めいた感じになる。最近では「ずっけえ」と変化した表現も結構使われている。なのでありえないとは思うが、「ずっけえ」を「すっげえ」と聞き間違って誉められたと勘違いして鼻高々になってしまうと、「てめえ、調~子こいてんじゃねえぞ。」となるので注意が必要である。
「こすい」は深刻に狡猾な感じのときに使われる。冗談抜きの洒落にならない本気でそう感じた時に使われることが多い。
「お見舞い行ってこすかな」(お見舞いに行って来ようかな・行こうかな)
つまり「こすかな」~してこようかな・~しようかなという意味合いの表現。
「よう」が「す」になるという言い方。
こういった表現は「来る」に限らず「やろうかな」とかを「やらすかな」・「しようかな」を「せすかな」とかいった風にして使われる。そんな中で「来よう」を「こす」というのが一番方言チックかなと思い記載。遠州弁かどうかは定かではない。
ニュアンス的には「伺う」とかいったしゃちほこばったものはなく安易・気軽な感覚である。感覚的には二通り解釈できて、行かなくちゃといった義務的なものではなく行かなきゃ行かなくとも左程どうって事ないみたいなある程度気分的な印象を受ける。というものと、自発的にやるぞいう宣言みたいな印象を受ける場合の二通りがある。
こういった表現の否定形は「ある」だと「あらすかや」・「する」なら「せすかや」とかになる。
「こすかや」となると「来るわけない」となる。
例文
「なんか味ん薄いなあ。塩入れてみすかな。」
(なんか味が薄いなあ。塩を足してみようかな。)
「あれ、こんだからくなっちゃったよ。砂糖入れすかな。」
(あれ?今度はしょっぱくなっちゃったよ。砂糖入れてみよう。)
「あんたねえちゃんと食べれるもん作ってくれるだらねえ。」
(ねえ、ちゃんと食べられるもの作ってくれるんでしょうねえ。)
「駄目だったら味付け調味料買ってこすでなんとかなるらあ。」
(上手くいかなかったら味付け調味料買ってくるからなんとかなるだろ。)
例文音声はこちら
例えば「居る」。
「いすか」だと「いるわけない」と言う意味。
「いすかあ」だと「いるわけないだろ」。
「いすかや」だと「いるわけないだろが」。
とかな感じになる。
例文
「そんなとこに竿だしたって魚なんかいすかあ。」
「わからんよを。いるかもしれもしん。」
「行く」を例にすると
「いけすか」だと「行けるか」と言う意味になる。
「いけすかあ」では「行けるかよ」
「いけすかや」なら「行けねえよ」
などといった感じになる。
これが
「見る」を例にして
「みすか」だと「見ようか」と「(誰が)見るか」。
「みすかあ」で「見るかな」と「(誰が)見るかよ」
「みすかや」は「見るとしよう」と「見るわけねえだろ」
と二通りの意味使いのものになる。
例文音声はこちら