遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「触る」ということだが。どちらかというとちょっかいを出すというか「いじる」・「つっつく」という感じの方が近いような感じがする。
言葉そのものは共通語で、ネットの辞書での「せせくる」だとその意味は遠州で使われている意味と少し異なるが、「せせる」で載っている意味ならば、繰り返しつつく・つついて漁る・いじる・ほじる・つつき散らす等の意味であってこれなら遠州弁での「せせくる」とほぼ同じになる。共通語では使わなくなった言い回しが遠州ではまだ残っているというものであろう。「いじる」を「いじくる」というように「せせる」を「せせくる」というのが遠州弁っぽいともとれる。
遠州では子供のおいたを大人がたしなめるような場合とかに使われる事が多い。大人に対して発したらガキ扱いしてるという事になったりもするのであまり使うことはないような気がする。
近い言葉では「いぜくる」・「なぶる」・「かまう」というのがありこれらは大人子供とかに拘らず使っている。
例文
「あんたねえ。物珍しいからかしらんがさっきからせせくってばっかいるじゃん。変になっちゃかんでやめな。」
(も~物珍しいからってさっきからずっと弄り回してるじゃないの。変になったらいけないから止めなさい。)
「こわしゃへんでいいじゃんかあ。」
(壊したりしないからいいでしょ別に。)
「なにゆってるよを。あんたの手えかぶれるかもしれんでやめなっつってるの。」
(なに言ってんの。あんたの手がかぶれるかもしれないから止めなさいって言ってるの。)
例文音声はこちら
「なにせすだあ」だと「なにをするんだ」と訳せる。
「どうせすよを」だと「どうするつもり?」と訳せる。
つまる「せす」は「する」という事になる訳であるが。「せる」という言い方も存在している訳で共通語の「する」だと「せる」の方が近い。
A・「せ」が使役の助動詞「す」の未然形であり
「す」も使役の意を表す助動詞であるとするならば使役の連呼ということになる。
別の妄想として
B・「せ」が尊敬の意を表す助動詞未然形であり
「す」が「為」(他動詞)ある動作を行う・するという意味使いであるのなら本来の訳は「なされる」・「しなさる」という訳の方が適切に思えてくる。
実際使ってる感覚からするとBの尊敬の要素というのはまずない。むしろ上から目線である。Aの使役の連呼というのも「なにすんだ?」で「させる」という事ではない。
「あいつにやらせす」(あいつにやらせる)というのであればAで異論はないところだが
「なにせすだあ」にはあてはまらない。
尊敬の「せ」は「いらっしゃいませ」くらいしか思いつかないや。
つまり「なにせすだあ」の「せす」はAもBも当てはまらないもではないか。
「す」は使役というよりもおそらく動作を行うという意に「為」であろうからして、問題は「せ」なのだが使役でも尊敬でもない。今のところ言えることは「分からん」。
ただニュアンスとしては単純に「する」ということではなく「しでかす」みたいな勢いが「せす」には感じられることだけは確かな印象である。
「し」とせ」
「なにをするんだ」を遠州弁に変換すると「なにせすだあ」・「なにせるだあ」になる。女性言葉なら「だあ」を「よを」に変えればよい。
「しない」を遠州弁に変換すると「しん」と「せん」・「せない」。「しよう」を変換すると「しまい」と「せまい」・「せるか」。
このように「し」と「せ」が混合で共存する地域ともいえる。「へ」も使うなあそういえば。なんでもありということか。
「す」については「し」と「せ」いづれにも変わるのだが「する」という表現の場合には「せす・せる」はあるが「しす・しる」は聞いたことがない。
「栓」という意味。今はどちらかというと廃れつつある表現か。
方言というより「とおせんぼ」の「せんぼ」という言い方がまだ日常会話の中に遠州では残ってたということであろうか。
ちなみに「せんぼ」(栓をする)の他の言い方では「蓋をきせる」という言い方も遠州弁にはある。使い分けに決まりはないが一例として、中に他のものが入らないようにするためのものが「きせる」でせき止めるというか中のものが出ないようにするのが「せんぼ」といった具合。
「せんぼ」は「穴をせんぼする」で「穴を塞ぐ」といったように「断つ」という処置という勢いが強い。
「きせる」は「閉める」という元あった状態に戻すというか「開閉」の「閉」という勢い。
本来有る蓋で「ふたをする」のなら「きせる」
本来無いものに代用とかで「ふたをする」のが「せんぼする」
といった使い分けが考えられる。なので蓋と言ってはいても「せんぼ」の場合には何か他の物を栓と見做しているという事が有り得る。
冗句の語呂遊びとしては「先方の羨望の潜望鏡をせんぼしてどんじかられる」
例文
「かあぬけるだで、飲んだら忘れんとせんぼしときなよ。」
(炭酸が抜けちゃうから飲んだ後は栓しなさいよ。)
「まるきし飲むでせんぼしんでもいいもん。」
(全部飲むから栓なんかしなくてもいいもん。)
「やあばかっつら。皆に回すだで自分独りで飲むじゃねえよ。」
(ちょっとを。皆にも分けるんだから一人で飲むんじゃないの。)
例文音声はこちら
線引き。定規のことであるが、遠州弁だなんて、検索してて初めて知った。こういう自覚の無い方言がくさるけにある癖して、自分のよそいきの言葉は共通語をしゃべってると思ってるのはとんでもない錯覚こいてるとしか言いようが無い。
「お里が知れる」という言葉があるが他所の衆から見ればバレバレの田舎もんにきちんと映ってるんだらなぁ。最近遠州弁のネタが絞り出ないと思ってたけど、ホントはゴロゴロそこらじゅうに転がってるんだ。
しゃあけど どっちかつったら あれだにぃ、意識して遠州弁使うとあれだね、ワザとらしくなるっつーか そんなこん 言いもしんにぃ って物言いになっちゃうだいね。だからっつって無意識こいてりゃあ なにん方言だか気づきゃしんもんで どーすりゃええだっつーこんに なる訳よお。
ま、なんしょそこらへんの線引きはきちんとつけんと前に進まんでねえ。
で、「線引き」であるが、棒状の定規を指す。三角定規を「三角せんひき」とは言わない。T定規についても「Tせんひき」とは言わないが「図工用せんひき」とか「図面描くときのせんひき」などと言う場合はある。
定規ならなんでも「せんひき」と呼称するかというとそうでもない。
裁縫用のものは「ものさし」と言う。
大工さんが使うのは「さしがね」(指し金・尺金)とか「かなじゃく」(曲尺)。
当然ながら「杓子定規」を「杓子せんひき」とは言わない。
こうだと決めつけるわけにはいかないが、筆箱に入ってるプラスチックの透明な定規のことを「せんひき」と言うのが普通であろう。無論入りきらないような大きいものでも「せんひき」と言ったりはするが。
とにかく曖昧ではあるが、なんでもかんでも「せんひき」と言うわけではないのである。
お裁縫用の竹製のものは「ものさし」と普通に言うので「せんひき」はあくまでも学校で使うような定規のことを指す。
例文
「やあ、せんひきどこやったか知らん?」
(ねえ定規どこにいったのか知らない?)
「知らんやあ。どうせせんひき使ったって線えごえごなのしか引けもしんに。探す手間無駄だでちゃちゃーっと無しで書きゃいいじゃん。」
(覚えがないなあ。でもどうせ定規使ったってへなへなな線しか書けないんだから探す時間がもったないだろうパパーっとフリーハンドで書いてしまえばいいじゃないか。)
「随分なことゆってくれるじゃん。馬鹿にすんじゃねえよ。」
例文音声はこちら