遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「とっくに」・「すでに」。
遠州弁でもなんでもない共通語であるが使用頻度が多い事に地方性があろうかと思って記載。古い言葉であり他地域では既に死語化してるということであれば遠州弁と呼べることになるのだがどうでしょうね。って思ってネットで調べたら関西ではよく使われる表現ということらしい。なので改めて言うと遠州でも使うよという事で記載。
「そんなんはあとうに忘れたわあ」
(そんな事もうとっくの昔に忘れたよ)
「とうの昔に」とした場合に「とっくの昔に」と訳すべきところであろうがニュアンスとしてはこの方が近い。つまり「とうの昔に」の省略形が「とうに」という言葉になっているとも考えられる。
で、「とっくのとんまに」という言い方は流石にとうに使われていない。
尚、発音は当然の如く「とおに」。
ちなみに「とうのむかし」を漢字で書くと「疾うの昔」。であるからして「とうに」は「疾うに」と書く事になろう。
「お前は既に死んでいる」というフレーズを遠州弁にすると
「おんしゃあとうに死んでるでねえ」などとなる。
例文
「やあ、こんどあいつに会ったらさあ。最新の情報おせえてってゆっといて。」
(あのさあ今度あいつに会ったらさあ、最新の情報教えてって言っておいてくれないかなあ。)
「ゆっても無駄だにい。」
(訊いても無駄だよ。)
「なんでえ。」
(どうしてだよ。)
「だって、はあとうにやらんくなったもん。」
(だってもうとっくにやらなくなっちゃったもの。)
「え~!あの馬鹿好きがけえ。」
(え~!凄くはまってたじゃないか。)
「凝りすぎて飽いただなきっと。」
「ほどほどが大切ってか。」
「だの。」
(だね。)
例文音声はこちら
追記
遠州ではどちらかというと「とうに」(すでに)という意でよく使われる。
「はあとうに行ったわあ。」(もうとっくに行ったよ)
「とうに過ぎてるにい。」(とっくに過ぎてるよ)
「とう」を漢字で書くと「疾う」。
辞書を引くと「とう」{副詞}(とくの変化)「はやく」の意の、やや古風な口語的表現。とある。
昭和の辞書で「やや古風」と謳われてるのだからこれはもう古い日本語を未だに使っているのが遠州弁という証しというべきであろうか。ただ意味使いが「はやく」と「すでに」(早くも)ということで微妙な違いは生じているがおそらくは同じ言葉であろう。
例文
「雨降るかなあ。天気予報じゃやばいみたいなこんゆってたけど。」
(雨ふるかなあ。天気予報じゃ降るみたいなこと言ってたけど。)
「なにゆってるよを。はあとうに降ってるにい。」
(なに言ってんだい。もうとっくに降ってるよ。)
「うそを!全然気いつかんかったよを。え?だあだあ?」
(嘘っ!全然気が付かなかったよ。どうなの?雨強い?)
「いや、それほどでもないけど。傘なしじゃきついかも。」