遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州弁かどうかは疑わしいが一応
「のえ」=「なあ」とするのが分かりがいいかもだがそれだと大雑把過ぎる気がしないでもない。
普通は「のえ」よりも「だのえ」として使われることが多い。
あまり普段使いで使われる言い方ではないが、使うとしたら
「そうだのえ」とかいった使い方。
じゃあこの「のえ」はどう訳すかというと色々種類があってはたと困るところがある。
ひとつめは、同意してる事は確かだが「そうだなあ」みたいになんとなく同意というほどに不明確ではないし、「そうだよを」ほどに「今更気づいたか」・「もちろん」みたいな確信に満ちてる訳でもない。
ニュアンス的には「まあそうだね」とかいった勢いか。
「やらにゃおえんのえ。」とかだと
「やらないと駄目だろうねえ。」といった感じであろうか。
誰かの言う通りという感じで人の意見に同調してる勢いが強い。
脱線するが、これが自分の意見だったら「やらにゃおえんだに。」(「だに」は語尾が上がる)となって「やらないといけないんだよ。」と訳せる。
自分意見というよりも全うな正論をというのなら「やらにゃおえんだあ。」もしくは「おえんだよ」とかになる。
例文
「これどうする?もってきゃいいだ?」
(これどうするんだ?持っていけばいいのか?)
「そうだのえ。主任にゆわれてるでもってきまい。」
(そうだね。主任に言われてるから持っていこう。)
そして、ふたつめは「そうだなあ」と思案してるもしくは決断先送りということを伝えてる使い方がある。
例文
「これどうする?もってきゃいいだ?」
「そうだのえ。まあ主任来てから決めまい。」
(ん~まあなんだ、主任が来てから決めようよ。)
といったものでどちらも自分の意見・意思が殆どないという点は同じだが使いどころによって「YES」とか「GO」であったかと思えば「NO」程ではないが「茶を濁す」とか「待った」というものであったりとかするものである。
まあこの違いの区別の仕方は言い方で「の」を強く言うか言わないかといった微妙さの違いで判別するものではあるが書き文字だとそれは伝わらないところが難儀である。前者は「の」をはっきり発する。後者は「の」を曖昧気味に発する。
と、この二種類ならまあなんとかであるが、いま一つの「のえ」の使い方があるのである。(もしかしたらまだ他にもあるかもだが思い浮かばなかった。)
例文
「これどうするでえ。もってきゃいいだ?あんたどう思うよぉ。」
「そうだのえ。まああれでえの、普通はもってかんで往生こく事考えりゃもってった方が無難っつうもんだらあ。」
この場合の「のえ」にはよくぞ聞いてくれたみたいな自分は正解を導き出せる(知ってる)みたいな案(事)をもったいぶって垂れてるニュアンスが多く含まれる。この使い方では自分の手柄・自信であって人の意見を用いているわけではない。
といったように「のえ」は訳すにおいて使いどころによって意味が変わるので難しいと感じるのである。
例文音声はこちら