遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「ばらばら」の度合いを強化した言い回し。方言というより全国的に使われている俗語であろうが遠州では結構頻繁に使われるので記載。男女共用。
例文
「厭だやあ めざましがあ。」
「なにい どうしたでえ。」
「分解されてるう。多分ター君だあ。はあもうばんらばらだよを。」
「どれ見してみい。あ~あっ。こんだけ ばんらばらに されると はあもう どおしょおもないなやあ。」
「しっかしまあ がんこにやってくれたじゃん。どうすりゃこんなんなるよを。」
「知らすけえ。子供のやるこんだで半端ねえだら。」
「こんだけ器用だとある意味才能だかいねえ。」
「皆そうだって、大人んなりゃ忘れるけどな。」
「なによを経験あるう。」
「ガキの時分おんなしようなこんして しょっちゅうどんじかられてただよ。それが今じゃあ全然不器用の部類だもん。」
「ところでさあ。こおゆうのってやっぱ叱った方がいいだかいねえ。」
「そりゃそうだらあ。」
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「散々」を「さんざっぱら」というのに近い「ばらばら」を「ばんらばら」にするという言い方。遠州お得意の強調する際の「ど」・「馬鹿」をつけるにはざらつきがあるような言葉の場合にこういう変化をするのではなかろうか。むろんお構い無しに「馬鹿散々」「馬鹿ばらばら」というような言い方も存在する。
「ばんらばら」にする効能は「ばらばら」具合が凄いというニュアンス以外にもひどいよなあとか随分だよなあとか目も当てられないとかいう呆れるニュアンスも含ませることが出来るところであろうか。
したがってまだ「ばらばら」なら元に戻せそうだけどこれが「ばんらばら」だともう無理だどうしようもないって思ってる勢いになるということ。
追記
まあ「バラバラ」ということで特に方言とうことではないのであるが、遠州弁における使い方として、こう表現することで「もう嫌」的な呆れてる感が加味される効能を有することになる。男女共用表現。
「ばらんばらん」という表現もあるがこちらのニュアンスは第三者的とか見放したみたいな突き放し感が増す。
より冷たさを追加するには「ばらっばら」を使うことが多い。この場合怒りの感情が多少こもり気味に聞こえることがある。
ただしいずれも遠州弁におけるニュアンスの説明であり共通語のニュアンスを説明してる訳ではないのでお間違いなきよう。
例文
「運動会どうだったよを。」
(運動会どうだった?活躍できた?)
「全然。」
「なに出たよを。」
(なにに出場したの?)
「ムカデ競争とか。」
「勝てなんだだ。」
(勝てなかったんだ。)
「だってさ~あ、みんなばんらばらで前 進みゃせんだもん。」
(だって皆バラバラで前に進まないんだもの。)
「普段から仲良くしとかんもんでばらんばらんなるだにい。」
(普段から仲良くしておかないからそうなるんでしょうに。)
「元からばらっばらだもん。こんな時に備えて仲良くしまいなんて無理に決まってるじゃん。」
(最初っから合わないんだからこういう時に備えて仲良くしとこうなんて無理な話しなの。)
「大人んなりゃあ好き嫌いでつきあいとか選べやせんくなるだでちったあ訓練とかしといた方がいいにい。」
(大人になったら好き嫌いで付き合いとかは選べなくなるんだから今のうちから馴れるようにしといた方がいいと思うよ。)
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