遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
仲間はずれ・除外・除く・外す(はずす)という意味で使われる。はぶく(省く)の親戚か?意味は全然違うけど。
「はぶさす」で「省く」という事になる。
「そんなねえ はぶせにしんだっていいじゃん。入れたげない。」
(そんなねえ仲間はずれにしなくたっていいじゃないの。入れてあげなさいよ。)
差別的な表現として使われているのではないのでお間違いのなきよう。
「3人一組でチームつくるとはぶせんでるにい。」
(3人一組でチーム作ってくと余る人が出てくるよ。)
「あんたねえ、おんなし食べもんなんだからきゅうりをはぶせにしんで全部食べなさい。」
(ほらあ、同じ食べ物なんだからきゅうりだけ残さず全部食べなさい。)
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「はぶせ」であって「はぶす」・「はぶされ」とかいう変化はない。「はぶせにする」・「はぶせにされる」という風になる。
「はぶせ」自体「仲間はずれ」という意味合いなので「仲間はぶせ」という言い方は存在しない筈なのだが実際にはある。「味方はぶせ」とか「メンバーはぶせ」とかいう言い方はされていない。
補足。
「はぶせ」という言葉は差別する言葉では無い。
「はぶせにされる」で「仲間はずれにされる」
「はぶせにする」で「除外する」
「はぶせになる」では「除外になる」
「はぶせが出る」で「余りが出る」
合ってるかどうかは定かではないが意味から想像するに共通語での「省く」(はぶく)というのに近いので「はぶせ」は「省せ」という字が当てはまるのではないかと思ってる。
人に対して使われればそこはやはりいい言葉とはならないが
「はぶせ」は物に対しても使われる言葉であり、そういう場合には差別もへったくれもないわけで
繰り返しになるが「はぶせにする」という行為は別にして「はぶせ」という言葉自体は差別を意味するものではない。
「腫れもしくはむくみ気味」という意味。
一番判り易いのは「寝起きの顔」。この場合は「むくみ気味」ということになる。
「はれ」は勿論「腫れ」であり、「ぼったい」がなければ「腫れてる・むくんでる」ことになる。
虫に刺されて腫れたような状態を「はれぼったい」というかというとこれは「腫れた」であって「はれぼったい」は使わないような気がする。
「なんとなく」腫れてるような感じというのが「ぼったい」であろう。
この「ぼったい」という表現が味噌な訳であるが、これは果たして遠州弁か?
他の言い回しでは
野暮ったい・暗ぼったい・湿ぼったいとかがあり、野暮ったいは共通語で方言ではない。しかし暗ぼったい・湿ぼったいは全国的表現ではないらしく主にしぞおか県の方言として紹介されているところが多い。まあ野暮ったいは野暮+たいであってこれらとは別の種であろうが。
ちなみにしぞおか県全体に範囲を広げてみると
おおぼったい(うっとおしい)・いらひじぼったい(物欲しそうな)
全国に広げると
厚ぼったい(厚め気味)・古ぼったい(古臭そう)・しょぼったい(しょぼくれ気味)・眠ぼったい(眠いのでだるい)・熱ぼったい(なんとなく熱がある)・安ぼったい(安物っぽい)
意外なとこでは「口はばったい」を「口はぼったい」という地域もあるそうな。
(以上はネットで検索して発見したので正しいかどうかは定かではない)
つまるところこれは辞書には載っていないが全国的に広がっている表現ではないかということ。
もっとも「タメ」が遠州発信で全国的に認知されたようにこの「ぼったい」表現も同様に全国に広がったものということであれば話しは別だが。
でもまあ多くのところで遠州弁と紹介されているので項目としては遠州弁扱いの中に入れるけど。気持ちとしては「~っぽい・~気味」という意味の使い方に関しては全国的なもので遠州弁ではないと否定する記事ではある。
あくまで使用頻度が高い地域だということであろうか。
ただし駿河弁での使い方に関しては意味が異なるので、方言としての意味使いをする「ぼったい」についてはこれは駿河の方言であろうかと推察するのであるがどうだろか。
例文
「なあんか体んだるいだいね。風邪かなあ。」
(なんとなく体がだるいんだよね。風邪ひいたかなあ。)
「気の弛みすぎだって。」
「ひどいことゆうやあ。一生懸命やってるっつうに。」
(随分じゃないか。一生懸命やってるっていうのに。)
「顔腫れぼったいにい。会議寝えってただらあ。寝起きでだるいだけだらあ。」
(顔がむくんでるぞ。会議で寝てたんだろう。寝起きでだるいだけだろうに。)
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