遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「あちこち・色んなとこ」という意味。「方方」と書くそうな。
辞書にもあるくらいだから当然な共通語であるが何故か方言性を感じてしまう。「しゃあしゃあ・だあだあ・ぶんぶん」とかと同じでイントネーションといい繰り返しといい遠州弁の要件を満たしているからであろうか。
発音は耳を澄ますと「ほおぼお」と言ってる気がする。
例文
「あんたほうぼう行くだねえ。」
「なんで知ってるよを。」
「あれえ、あんた見たっつう人一杯いるもん。それもこらしょと。」
「そりゃ外回りだもんほうぼう行くさあ(れ)。」
「パチンコ屋にきっちゃ店。ネットカフェに河川敷。あんたそんなとこで何の仕事するよを。」
「うそっなんで知ってるよを。人の後ついて回ってるだけえ?いやらしい。」
「あんた悪いじゃん自業自得だにい。耳に入ってくるだよ色々と。あんた行くとこ行くとこで悶着起こすもんで目立つだよ。客だでっつってえらそうこいてると自分に返ってくるだにい。つうか仕事中だにほうぼうで客してるっつう方がずっとか悪いかあ。」
例文音声はこちら
追記
ま、遠州弁での「ほうぼう」のニュアンスといっても、いつも以上にあくまで自分の感覚で物言ってるので正確性は無いのであしからず。
「ほうぼう」は「あちこち」とか「色んなとこ」とかいう意味で使われるものであるが
「ほうぼう見て回った」と「たくさん見て回った」だと
目的のものを求めて色んなお店を回ったという勢いなのが「ほうぼう」で、一杯回って多くの種類を見たというのが「たくさん」といった風に聞こえる。
「ほうぼう手を尽くした」と「色々手を尽くした」では
色んな人や方面にというのが「ほうぼう」で、あの手この手と策を練った・手立てを講じたといった勢いなのが「色々」。
「ほうぼうに声掛けた」と「そこらじゅうに声掛けた」だと
「ほうぼう」は知り合いとかいった思い当たる親密度が高めなところとか効果や可能性がありそう(結果が出そう)なところに声掛けをしたみたいな多少選んでいる(頭使ってる)勢いを感じる。
「そこらじゅう」だと手当たり次第といった勢いで数撃ちゃ当たる的な勢いを感じる。
「ほうぼう」の方がまだ選んでる分余裕がありそうにも聞こえる。
「ほうぼう」は「方面」というニュアンスが濃い目で「あちこち」という色合いが強い。なので一か所を重点的にとか綿密にという感じはあまり受けない。「ほうぼう」には「片っ端から」というニュアンスは薄味な感じがする。
「ほうぼう探したのか?」と「ちゃんと探したのか?」では探し方が違うと感じる。