遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
辞書にも「ほっぽる」・「ほっぽ投げる」は載っているので決して方言というものではない。
使い方として思いつくのは遠州弁に於いては
「ほっぽかす」・「ほっぽ投げる」・「ほっぽる」・「ほっぽっとく」
とかが思いつくところ。
「ほっぽ投げる」の「ほっぽ」は「ほっぽり」の「り」抜けと考えられるところ。
しかして「ほっぽかす」の場合「ほっぽりかす」ではなく「ほっぽらかす」の「ら」抜きという勘繰りが成り立つ。
ということは「ら」行の活用なるものが存在していそうな気配である。
「投げろ」というのであれば「ほっぽれ」
「投げる」であらば「ほっぽる」
「投げれば」だと「ほっぽらしゃあ」
「投げらせば」なら「ほっぽさしゃあ」(多分「ほっぽらさしゃあ」の「ら」抜き)
ちなみに「投げる」は「試合で投げる」という意の他に「試合を投げる」みたいな「投げる」の意も含むものである。
「ほっぽかす」とかいう使い方は屁理屈上に於いては「ほっぽらかす」であって「ら」抜き表現ということになるのであろうか。
「ほっぽっとく」(放置しておく)というのは「ほっぽりておく」とかになるのか?「ほっぽらせておく」の変とも勘繰れるかな。
いずれにしても「ほっぽ」という言葉はなくて、あくまで「ほっぽる」のラ行変格のはしょった言い方が「ほっぽ」という風に思えてくる。
ちなみに「ほっぽる」に似た表現の「うっちゃる」との違いは、放り投げるという事では一緒だが例えば仕事や作業をと言う場合、再開しそうにもない(放棄する)のが「うっちゃる」で再開するかもな(放置もしくは中断する)というのが「ほっぽる」という違いが感じられる。
例文
A「あいつぁ仕事ほっぽらかいてどこ行っただあ。」
B「腹痛いっつって便所行ったにい。大分前だけど。」
C「違うって。行ったの便所じゃなくて病院だにい。」
B「そうけえ。知らなんだやあ。」
A「ひとことゆってけっつうだよなあ。」
C「いいじゃんやたらくしゃ救急車呼ぶよりか。」
B「まあ確かに救急車じゃ大事(おおごと)んなるもんな。」
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