遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「持ち行くでええよ」(取りに行くからいいよ)
「先行くで後よろしくねえ」(先に行くので後はよろしく頼む)
「の」抜きの記事でも述べたが遠州弁特有ということはないであろうがこういった傾向が遠州弁は顕著であろう。
基本一音で済ませたいという事であろうか。その割には「なんしょかんしょ」や「あんた」とか「おい」とか「ほい」とか「あれでえ」とか「そうするとさいにゃ」とかのつなぎの言葉が豊富というのは矛盾してるよな。
別の考えとしては「先行く」(先に行く)+「でえ」(なので)と切って言ってるのかもということ。
他には「だで」としてもおかしくない事があるのが不思議だという点。
「持ち行くだでええよ」
「先行くだで後よろしくねえ」
共通語に訳すとさいにゃこれが「で」のと同じという事になる。まあ強引な理屈でほんとは「取りに行くのだからいいよ」であり「先に行くのだから後はよろしくね」なんだけど。でも説明が細かくなっただけでニュアンスはほぼ同じというのは不思議といえば不思議。
ほぼというのは「だで」を使うと少し怒ってる風に聞こえる点が違うからである。もっとも「だので」・「だから」=「だで」と考えれば不思議ではなくなるが。
ところでなんでもかんでも「ので」・「から」が「で」に変わるのかというとそういう事でもない。
特に「から」。
「言ってる先から」を「ゆってる先で」とは言わない。「人から人へと」を「人で人へと」とも当然言わない。辞書にある意味と例文で言うものと言わないものを挙げてみると
格助詞①動作・作用の起点・出発点や、それがもたらされるそもそもの原点を表わす。「学校からまだ帰らない」→これは「で」にならない。
②物事の順序・範囲を示す場合の始まりを表わす。「あなたからどうぞ」→これも「で」にはならない。
③経由点を表わす。「玄関からお入りください」→これも「で」にはならない。
④原因・理由・根拠を表わす。「風邪から肺炎を引き起こした」→これは「で」になる。
⑤材料・構成要素を表わす。「酒は米から作る」→これは「で」にはならない。
⑥ある数量より以上の意を表す。「百人からの人が集まった」→これも「で」にはならない。
接続助詞①前件の事柄が後件の事柄の原因・理由となることを表わす。「寒いから窓を閉めてくれ」→これは「で」になる。
②{終助詞的に}相手に向かって強い決意を表わす。「絶対許さないから」→これは「で」になる。
ということで格助詞の④と接続助詞の①と②の「から」が「で」に変わる場合があるという事である。
「ので」についてはおおよそ「で」に変わると考えてもいいのかもしれない。