遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州弁関連
例えば「食べまいか」のニュアンス
レベル 日常レベル
どこぞの方言を解説するサイトで他の地方の言い回しとの比較ということで三河・遠州の「食べまいか」。
これを「食べないか」と訳してあった。が、なんかざらつくぞとふと感じた。三河はそうなのかは知らねど遠州では?である。
どこら辺がというと、「食べまいか」は「食べようよ」であって「食べませんか?」と伺っているのではないのである。
促しという意味では違いはないのだが、極端な喩えでいうと
率先(もしくは先導)、つまり先に自分が手を出さんばかりに「あんたも食べなよ」というのが「食べまいか」。同調を求めている言い回しなのである。
勧奨、つまり勧めているというのが「食べないか」で、こちらは必ずしも同調というか勧めてるけど自分も食べるとは限らない。
こういう感じでお客さんとかに「どうぞ」と勧めるような場合に於いて「お客さん食べまいか。」という事は無いのである。この場合には「お客さん食べてやあ。おいしいにい。」とかである。(おいしいにい=おいしいから・おいしいに=おいしいよ。)
自身と同じ事を相手にも求める際に使われる事が多いのが「まいか」(ようか)である。そういった意味では「まい」(よう)と同じものであるが、「まい」は強めの言い方であり促すというより要請(強要に近い)という勢いの違いが「しよう」と「しようか」の違いと同じくらいに「まいか」と「まい」にはある。
それと「ケーキ食べまいか」を「ケーキを食べないか」では
「甘いもの食べたいね、今から買ってくるからケーキを食べないか。」というのを
「なんか甘いもん食いたいと思わん?ちゃっと買い行くでケーキ食べまいか。」と発するのは間違ってはいないのかもしれないが普通は言わないものである。こういう場合は
「なんか甘いもん食いたいと思わん?ちゃっと買い行くでケーキ食べるかあ。」もしくは「食べん?」といった風になる。
これはどういうことかというと、「まいか」は目の前の出来事に対して使われる傾向が強く「ケーキ食べまいか」と発したら普通は目の前にケーキが存在したうえでの発言と判断されるものである。したがって例において「まいか」を使いたいというのならまず先にするべきことは「買いに行く」ということなのだから
「なんか甘いもん食いたいと思わん?ケーキにしん?だもんで今からちゃっと買い行きまいか。」もしくは「ちゃっと買い行ってケーキ食べまいか。」
という事になる。
つまり「まいか」を「ないか」と訳す(例えば「しまいか」=「しないか」)という程単純なものではないのである。
ちなみに「食べまいや」となると「食べようや」となる。そういったところからすると「まいか」=「ようか」とした方が「まいか」=「ないか」よりかは近いニュアンスといえるのかもしれないと思える。