遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「べこべこ」。ごくごく当たり前な共通語と思ってるところだが、辞書引いても載っていない。ネットで検索しても
おそらくは俗語の範疇であって広い範囲で使われているものであろうから遠州弁とは言わないが、もしかしたら共通語じゃないのかもしれなく、一応遠州では普通に使われているという事で記載。
「べこべこ」の意味は、本来の(あるべき)形状をなしておらず「うねってる」とか「歪んでる・波打ってる」とかいう状態を指すものである。他にはちゃちとか陳腐な様(素材)を表わす際にも使われることがある。「何かが落ちてきて車のボンネットがべこべこんなっってる。」とかいった破損の程度(凸凹になってる様)を表わす場合もある。
例えば「床んべこべこ。」となれば床板とかが真っ直ぐ・平らでなく凹みがあったり波打ってるような状態だと言っている。劣化による場合にも使われるし劣化でなくとも陳腐な素材を使ってるからとかいう場合にも用いられる。
近い言葉と較べてみると、
「えごえご」で「床んえごえご。」。こう言った場合は床が軋むとか反り返っている歪んで曲がっているなどで真っ直ぐ・平らではない状態もしくは脆弱そうだと言っている。「えごえご」単体では「曲がりくねっている」という意味である。「べこべこの床」だと見た目は普通だが歩いて見ると変と気づくとかのもので「えごえごの床」は見た目からしておかしいと映るものという違いとする場合もある。
ただし、おかしい程度については「えこえこの床」よりも「べこべこの床」と言う方が程度は酷いと感じるものである。「えごえご」であってもしっかりしてる(用を成す)こともあるが「べこべこ」においては殆ど駄目になってる(用を成さない)場合に使われるからであろうか。
「ぼこぼこ」で「床んぼこぼこ。」だと床に穴が開いている・抜けているとかなダメージを受けた状態だと言っている。「ぼこぼこ」は大層壊れた・壊れてるという勢いを感じ「べこべこ」には軽度の壊れといった勢いを感じるものである。ただし「ぼこぼこにやられた」という言い方は存在するが「べこべこにやられた」とかいう言い方は存在しない。
「へこへこ」は「べこべこ」の軽い症状の状態を「へこへこ」と言う。ただし「えごえご」と「べこべこ」の混ざったようなものなので「ぼこぼこ」程の露骨な凹みとか穴とかを指すものではなく、程度の軽い歪みや軋みを指すものである。というかちゃっちいとか薄っぺらい感じを表わしているというべきか。