遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
例文
「あー!」
「なによ、いきなし、びっくりするじゃん。」
「やばい、もしかしたら、電気消しなし来ちゃったかもしんない。」
「家出る時、確認しんかっただか?」
「急いでたもんでねー、した覚えんないだよ。」
「そりゃあんた、戻って見といた方がいいにー、まだちいと時間あるだでさー。」
「わるいね、そうするわー。ちゃっと行って戻って来るで、待っててよ。」
「あんまし、急いで転ばんよーにね。」
暫し後、戻ってきて
「わりいわりい。」
「じゃ、いいだね。行くにい。」
「あー!」
「なによお、まだなんかあるだか?」
「ばか急いでたもんで、鍵かったか不安だやあ。」
「なんで確認しんかったよお、もお、はああんまし時間ないだでちゃっと飛んで見てきい。」
「ホントわりいやあ。ちゃっといってくるで待っててよ。」
「間に合わんかったらあんたんせえだでねえ。」
例文音声はこちら
この例文の中で分かりづらいとしたら「ちいと」(少し)くらいであろうか。
時間のあるなしの比較で言うと、集落によって誤差はあるが
ちっと<ちいと≦なんとか<結構<大分<充分≦たんと<がんこであろうか。共通語にしづらい比較言葉のニュアンスは結構ある。
「あんまし・いきなし」(あんまり・いきなり)と、「り」が「し」に変形することが多い。又「消しなし」(消さずに)のように、「~せずに・しないで」を遠州弁では「~しなし」と表現する。「燃やさないで保管」だと「燃やしなしとっとく」・「努力しないで出来る訳ない」だと「努力しなし出来すかー」となるが、「無理しないで頑張って」は「無理しんで頑張って」となり「無理しなし頑張って」とは言わない。全てが「しなし」になるわけではないのである。