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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

うそこいてえ

直訳すると「嘘ついて」。「こく」という言い方以外には特にごく当たり前の言い回しに聞こえるやもしれぬが実はそうでもない。

もちろんシンプルに「冗談言ってえ」という使い方もするのだが

「え?これ100万?うそこいてえ。」

という風に使ったりするものでニュアンスを説明すれば、信じていない状態で

「やめなさいよそんな嘘を言うのは」というニュアンスであり次に続くのは状況に応じて

「うそついて何が目的なんだ」・「人の騙される(驚く)姿を見て何がそんなに楽しいの」・「冗談もほどほどにしなさいよ」

などといった意味合いも全て集約された言い回しなのである。「うそ」と言っているが「嘘」だけでなく「冗談」も含まれる。普通「うそこいて」で終いなのだが、あえて付加の部分を言えば繰り返しの強調となる。「え?これ100万?うそこいて。をたこくのたいがいにしなよねえ。」とかみたいな。男女共用の表現だが女性の場合「うそだあ」という言い方をすることも多い(男もたまに使うけど)。

「うそこいてえ」を使う流れとしては「まず驚く→そんな筈は無い」というパターンで使われる。もしくは「一応話しを聞く→そんな筈は無い」というパターン。

たしなめる勢いであるなら

「うそこいちゃかん」・「ばかっつら」

憤慨してる勢いなら

「ばかじゃないのあんた」・「よをゆうわ」

確かめる勢いであるなら

「うそだらあ」+「ほんとにけえ」・「ほんとにい?」などが付くこともある。

信じちゃってる状態で信じられないと言う勢いなら

「うそっ!」・「え?ほんとにい」とかが使われる。

「まず驚く→そんな筈は無い」というパターンではなく「はなからそんな筈は無い」という場合には

「うそばっかし」・「うそこけ」

などが使われる。「ふ~んこれん100万。うそばっかし。」みたいな。

例文1

「よし今日から真面目にやるぞ。」

「ま~たうそこいてえ。」

  (どうせ口だけだろ。)

「なにい、わしうそなんかいったことありもしん。」

  (なんだよ俺嘘なんかついたことなんかないだろ。)

「ふかしばっかだでねえ。」

  (嘘じゃないにしても行動が伴わないことだらけだからなあ。)

例文2

「よし今日から真面目にやるぞ。」

「え?ほんとにい?うそこいてえ。」

  (え?そうなの?また何の魂胆があるんだ。)

「うそじゃあらすけえ。マジだよマジ。ホントにい。」

  (そんなもんねえよ。今度はマジ。本当だってば。)

「いつまで持つだか。」

  (すぐ挫折しなきゃいいけど。)

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