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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

だんれもおらん

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だんれもおらん

誰もいないと言う意味。

「おらん」を「いんにい」(いないよ)にした場合「だんれも」という表現よりかは「だあれも」となるのが普通。「だあれもいんにい。」。

この表現の味噌は「誰」を「だんれ」・「だあれ」と撥音便化?・長音化?することにあるのだが、この使い分けについてはほぼ同じだが微妙にことなることもある。

「だんれも」となると言い切り的な印象を受け誇張して訳すと「人っ子一人」。

「だあれも」となると感傷的な印象を受け誇張して訳すと「誰一人」。

例文

「おーい。いるう?」

返事が無い。

「あれ?だんれもおらんだかいやあ。いんだけえ?」

やはり返事が無い。

「だあれもいんなら勝手に上がらしてもらうでねえ。」

誰に言ってるのか不思議。自戒の念によるものか。

部屋が暗いので灯かりを点ける。すると突如

「やあばかっつら。どまぶしいじゃねえかよ。」

真っ暗な部屋の中に人がいた。

「おわ!びっくらこいた。なんだあおめえいただか?いるならいるで返事くらいしろやあ。」

「風邪んひいてそれどころじゃねえわあ。ほんでなにせいきただあ。」

「あれ借りすかと思って。」

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