遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
意味は三通りあって、ひとつは、きり・打ち切り・切り上げるとか言う意味。
「きりのいいところで」を「ちょんのいいとこで」とは言わないので特殊というか珍しい表現ではある。はさみで端をちょんと切るとかいう表現でのちょんに近いのであろうか。意味はなんか違うけど分断する(切る)ということでは同じだから。
まあ、本当はお芝居の始まり終わりなどの拍子木を打つことからきた区切りの合図を指すらしいのだが。
例文
「やあはあ暗くなってきただで今日んとかあこれでちょんにせまいか。」
(おーい。もう暮れてきたから今日のところはこれで切り上げようか。)
もうひとつの意味は以前にも書いたが目がよく見えなくなった状態を指す。相手に対して使うと非常に侮蔑的表現になるので、自身を笑うような自虐的な表現にのみ使われる言葉。共通語というか辞書には「ばかでもちょんでも」とかいう使い方の知恵が少し足りない事・人と記載されているが遠州では「ばかでもちょんでも」はことわざみたいなものでこれでひとつの言葉であり「ちょん」だけの単独使用の場合には目が悪い以外には使わないので
「頭悪いもんで目も悪いだあれ」とかいうのを「あたまあちょんだもんでめえもちょんだあれ」とかいう冗句は存在しない。
例文
「よく説明書見てみい。ちゃんと書いてあるだで。」
「駄目でえ、わし目がちょんだもんでよーめえん。」
「かっこ気にせんではあ眼鏡したらいいじゃんか。」
三つ目は「ちょんのま」(ちょんの間)といったような「ほんの」という意味合いでの使い方。遠州弁としてはこういう使い方はあまりしないので共通語での意味合いということなんだろうかな。
三つとも辞書に記載されているものであり遠州弁という範疇の言葉では決してないのであるが、微妙に使いどころが共通語とずれてるところに方言性があるのかなと思って記載。