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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

ててて

色々意味合いが変化するので説明するのが難しい表現である。もちろん同じ言葉で意味が臨機応変に変化するということではなく、違う言葉でたまたま同じに見えてるという事がありうるところでもある。

例えば

「ほいちょっとこれ持っててて。放しちゃかんにい」(ねえこれちょっと持っていて頂戴。放さないでよ。)

「ちゃんと見てててってゆっただになんで見てんよを」(しっかり見ててねって言ったのにどうして見てないのよ)

この「ててて」だけを正しく訳せと言われてもはたと困るのではあるが

この例の場合にはニュアンス的には「~していて」+「頂戴」(くれないか)という事になるところであろうか。理屈でいけば「~してて」+「いて」ということだろうけど。

共通語であれば「ててね」とか「ててよ」とかになるところが「ててて」と三連発になる訳で、これが遠州独特なのかどうかは疑わしくはあるが共通語ではないだろうということで記載。

でもまあ「ててって」だと

「持っててって言ったのになんで放すんだよ」

となってこれだと共通語たりえそうなので、方言というには微妙ではあるかな。

次に例を変えて

「あんだけ一所懸命やっててて結果それかい」(あれだけ一所懸命やっていても結果はそれかよ)

というニュアンスの訳が無難であろう。

この場合は「~していて」+「いても」もしくは「~していながらも」という事になるところであろうか。

共通語だったら「てても」という事になるのであろう。

例文

「あ、忘れもんしたで、ちゃっと持ち戻るであんた悪いけど先行っててて。」

  (あ!忘れ物したから直ぐ取りに行ってくるから、あんた申し訳ないけど先に行ってて頂戴。)

「きんのうからあんだけ準備しててて何やってるよを。」

  (昨日からあれだけ準備してても結果それかい。)

「しょんないじゃん忘れたもんわあ。」

  (仕方ないだろ忘れちゃったんだから。)

「先行ったじゃ用為さんだで待ってるでちゃっと行ってきな。」

  (先に一人で行っても意味ないんだからここで待ってるから直ぐ行ってきなよ。)

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