遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「尻っぺた」・「口んべた」とかいう使い方の「べた」・「ぺた」。別に方言でもなんでもない表現であるが遠州でも使われるという事で記載。(ここでの口んべたは口下手の変ではなく口の周りという意味である)。
「ほっぺた」はどうなんだろ同系なのかな「地べた」はどうなんだろう。
「ほほ」(頬)→「ほっぺ」→「ほっぺた」という流れだとすると「ぺた」などではなく「ぺ」+「た」なのかもしれないが、「尻っぺ」とか「くちんべ」とか言わないから「ぺた」として考えていくことにする。それとともに「ほっぺた」はもしかしたら別物というものなのかもしれない。
「べた惚れ」・「べた凪」というのとは違う事は言えるかもしれない。
「しりっぺた」をネット辞書で引くと
尻べたの転。とあった。
ということは基は「べた」ということで考えればいいということなのか。
しかしながら「べた」で調べると
「べた」(俗語)①すきまなく、すべての面に行き渡ること。「べたぼめ」・「べた負け」。②「密着写真焼付け」の俗称。
となって意味が違うぞと思える。辞書からじゃよう分からん。
実際遠州弁で使ってるニュアンスを説明すると
「しりっぺた」はお尻の盛り上がったところを指している。「けつっぺた」というのも多分同じ意であろう。時たまどちらも腿の辺りまでを指す言い方をする事もある。
「くちんべた」は口の周りを指している。
「みみっぺた」だと耳を指している。
まあ大体体の一部を指している事が多く物とかに対して発するものなのかというと、もし「地べた」の「べた」が同じというのであれば物に対しても発するということになろう。
そして「地べた」は「地面」であるからして「べた・ぺた」は「面」と表わせるという屁理屈が発生するところである。
そうなるとあくまで冗句だが「月面宙返り」を「月っぺたでんぐりがあり」と置き換える事が出来得る。
実際のところは「面」というよりも「辺り」・「周り」というニュアンスで使われてる感じがするところであるがまあそう遠くはなかろうてと思えるものである。
こういった使い方から推察するに「ぺた」・「べた」は「大体そこら辺」みたいな大雑把なところを指す「そこらあたり」・「~の部分周り」という意味と想像されるところだが「耳っぺた」とかはそういうニュアンスではないのでこういう意味だろうと言い切れないところがある。
要するに、分からん。
例文
「どうしたでえ、なんか がんこな音したけど。」
(大きな音がしたんで見に来たんだけど何があったんだ?)
「あいつぅ なんでもやりっぱあで かたしもしんで うっちゃらかすもんで、だあたあきて おもいきっさ けつっぺた けっからかいてやった。」
(あの野郎なんでもやりっ放しで片づけもせずそのままにしとくもんだから頭に来て思いっきりケツを蹴り上げてやった。)
「ひどいことするう。」
(おいおいお手柔らかに頼むよ。)
「いいだよ、ゆっても解からんだもんで。」
(これでいいの。口で言っても解かろうとしないんだからこれくらいやらないと。)
「本人わあ。」
(それで蹴られた当人はどこ行ったの?)
「ちんぷりかあって外出てった。」
(ふてくされて外に出て行った。)
「知らんにい。バット持って戻ってきてもを。」
(バット持って戻って来ても知らないよ。)
「んな根性あらすかあ。」
(そんな根性ある訳ないだろう。)