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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

わるいやあ

「すみません」と言ってる。申し訳ないという意味合いであろうか。別に直接的にご足労を掛けた時とかに使うだけではなく感謝の気持ちを伝える際に使われる。「謝る」というニュアンスは薄い。男女共用。

遠州弁では知らない人にものを尋ねる時くらいしか「すいません」は他人行儀と感じて使わない傾向があるし「すみません」も殆ど使われない。

別に謝らない種族だからという事ではなく、その代わりになんと言ってるかというのが「悪いやあ」であり「済まんねえ」とかであろう。

「申し訳ない」は「悪いやあ」で

「感謝するよ」は「悪かったやあ」という言い方をする事が多い。

「やあ」の他には「ねえ」を使うこともある。ってこれは共通語か。「わるいねえ」と「わるいやあ」とではニュアンスが若干異なり「ねえ」の方が幾分上から目線と遠州では取られやすい。

「にい」を使って「わるいにい」だと「それじゃあわるいにい」とかの使い方で「それでは申し訳ないから」という意味合いになる。「わるいらあ」だと「申し訳ないだろうに」という感じであろうか。

ご好意に甘えてという気はあるが一応礼儀として断りの表現をする時とかは「それじゃわるいよう」(それではご迷惑でしょう)・「それじゃあわるいでえ」(それでは迷惑掛かるから)とかを使う。

先に述べた「それじゃあわるいにい」は本心で断る場合に発せられることが多くこれらのニュアンスの機微を計らないと奥様同士のつきあいとかで「言葉が通じない人」(無神経な人)と思われぎくしゃくする。

つまり断る気でいる時には「わるいにい」・「わるいで」・「かんで」。(強く押されれば断らないが)

どうしようかなと迷ってる時には「わるいらあ」と相手の反応を窺い

頼もうかなと内心思ってる時には「わるいよう」・「わるいでえ」を使うという使い分けがなされているということであろう。微妙なのは「わるいって」。どのパターンに対しても使えるので言い手の真意が計りづらい。

「ごめんなさい」と言うべき状況で「悪かったやあ」を使うと誠意が足りないと「あんた何様よ」などと思われる事が多い。

例文

「頼まれたもん持ってきたにい。どこ置く?」

   (頼まれた物持って来たよ。どこに置こうか。)

「悪かったやあ。重かったら?そこらへん置いといてくれりゃいいよ。」

  (重かったでしょ?有り難う本当にお手数かけたね。そこら辺に置いてくれればいいよ。)

「いやあ、そんな重かあなかったに。ほいじゃここんさあに置いとくでねえ。」

  (いや、それほど重くはなかったよ。それじゃあここら辺に置いとくからね。)

「まあ上がって茶あでも呑んでってやあ。」

  (まあ上がってお茶でも呑んで行ってよ。)

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