遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「ちゃんとしんとかんにい」要するに「しっかりしなさいよ」と言ってる訳であるが。
これだけ「ん」だらけになると結構快感である。そこでもっと強引に繋げてみる。
「あんたねえ体調管理とか『ちゃんとしんとかんだんぜんぜんちゃんとしてんもんで』からだおやすだにい。もうしっかりしにゃかんてえ。今みたくおやいてからじゃ遅いだにい。」
(あのねえ体調管理とかはしっかりしていないといけないんだよ。それを全然していないものだから体調崩すんでしょうが。もうしっかりしなさいよ。今みたいに崩してからじゃ遅いんだよ。)
まあ説経じみた言い回しになってしまったのだが。
「ホント健康にゃ注意しんとを体おやいちゃ元も子もないだで体調管理だけはちゃんとしんとかんだにい。」
ところでこれだけ「ん」を多く含ませてみると分かるのであるが色んな言葉が「ん」に代わっているということが分かってくる。入れなくてもいいとこに「ん」を入れるのまでが撥音便化というのかは疑わしいがとにかく撥音便のオンパレードではある。そこでもうひと捻りした例文を考えてみる。
「うちんこんぞうはあいい歳だもんでちゃんとしんとかんだんとんちんかんなこんばっか抜かすもんでよめんこんくてやんなるわあ。わしんだってあんたんとこみたく孫んもんりいとかしてみたい気いあるだん、やりゃにゃかんこんはちゃんとやんないっつってもやりゃあせんくてホントしょんない。茶あいれろっつやあちんちんにして全然飲めんくするし電話ん鳴っても全然出んしなんかゆっても返事いせんしやあ。」。「ん」の数は41。
「うちの息子はもういい歳なんだからちゃんとしないといけないんだけど頓珍漢な事ばかりほざくもので嫁が来なくて参っちゃうよ。私にだってあなたの処みたいに孫のお守りとかしてみたい想いがあるんだけど、やるべき事はきちんとやりなさいって言ってもやらなくて本当にしょうがない。お茶をいれろって言えば熱くし過ぎてとても飲めたものじゃないものにするし電話が鳴っても全然出ないし何か言っても返事をしないしさあ。」。「ん」は13。
この文には「の」・「ない」・「けど」・「事」(こん)・「が」・「に」・「なく」(飲めんく→飲めなく)・「り」(やんない→やりなさい)などが「ん」に代わっている。
まあとにかく遠州弁は撥音便がポイントとして重要な要素であることは間違いないであろう。