遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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独特な意味合いを持つのではなく、唯単純に言い易くするために変形する(つまり訛る)言葉の例。
いばる(威張る)→えばる
うごく(動く)→いごく
おごる(奢る)→おもる
てつだう(手伝う)→てんだう
みえる(見える)→めえる
ゆうべ(夕べ)→ゆんべ
だしとく(出しとく)→だいとく
かるい(軽い)→かんるい
すごくおもい(凄く重い)→どんもい(弩重い)
かえる(返る)→かある
例文音声はこちら
聞いた聞いてないの押し問答編
「なんであんた持って来てないよお。」
「知いらんやあ。聞いちゃいんにい。」
「ちゃんと言われてたじゃん。憶えちゃいんだか?」
「いつう。」
「先週の木曜にい。帰りがけに班長言ってたら?」
「憶えちゃいんやあ。」
「もー、憶わさらん方ん悪いだで自分でなんとかしなよお。うちら知らんでねえ。持っちゃいんなら置いてくにい。」
「そういわすとお。なんとかせるで勘弁してやあ。」
「どうにい。」
「そんなちんぷりかあらんだってええじゃんかあ。行ってどおにかせるでえ。」
「ちんぷりかあってなんていもしんにい。人聞き悪いやあ。」
「ま、なんしょ行かまい。行って考えりゃいいじゃん。」
「しょんねえなあやぁ。後ホントに知らんでねえ。」
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近所づきあいでよく聞く会話・おすそわけ編
「よかったらこれもらって。」
「いやあこんなことしんでもいいだにい。それじゃあ申し訳ないって。」
「気にせんといて。家じゃ余るもんだで腐らいちゃもったないだでもらってやあ。」
「いつもいつも貰ってばっかだでそれじゃ気い引けるやあ。」
「そんなことないよう私だっていつももらってるだで気にしんで。」
「そんなあ世話んなってばっかでホント気いつかわしちゃって悪いって。」
「ええでもらって。」
「そ~おホント悪いやあ。ありがとねえ。美味しくいただくわ。」
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何回お断り問答を繰り返せば良いのかが神経を遣うところである。いきなし「あそうありがとねえ」となれば「ごうつくな遠慮知らん人」の烙印押されるし執拗に断れば「気い利かん人」と呼ばれてしまう。そういうとこは全国共通ではあろう。
男でよかったと思う会話である。
「終わろうよ・きりあげようよ」という表現を遠州弁では
A「仕舞いにしまい」・「仕舞いにしまいか」・「仕舞いまい」・「終わりにしまい」
B「しまわまい」・「しまわまいか」・「しまわすか」・「終わらまい」
という二通りの言い方がある。
この使い分けは人それぞれだが自分の場合、Aが先輩・上司とかいった上位者が下の者に言うことが多く。Bの場合には同僚・部下とかいった横並び的立場の人に言う言葉であることが多い。先輩・上司とかがBを使うと優しい感じにはなるのでそういう事を意識して使われる場合もある。
従って平が課長に「仕舞いにしまい」とか言うとぶっさぐられるかムッとされる。
平が意見具申するような場合には「しまわすかあ」・「終わらすかあ」とかいった言い方をすることが多い。
例文1
「やあ5時回ったで仕舞いにしまいか。」
(ねえ5時回ったから終わりにしようよ。)
「おんしゃなにょえらそうに指示だしとるだあ。」
(お前なあ。なに偉そうに指示出してるんだ?)
「なにゆってるよを。残業さすんなら命令きちんとしとくりょを。なあなあで手当てつかんじゃ馬鹿みたいだで。」
(なに言ってるんだ。残業させるのなら命令きちんとして貰わないと。流されて手当てがつかないんじゃ馬鹿みたいじゃないか。)
「そをゆうこたあぺーぺー同士ゆったって埒ぁあかんだで偉いさんに直にゆっとくりょ。」
(そう言う事はペーペー同士が言っても始まらないんだから偉いさんに直接言ってくれよ。)
「ゆえたら苦労いらんじゃんねえ。」
(それが言えたら苦労しないわなあ。)
例文2
「はあ5時回ったでしまわすかあ。」
(もう5時回ったから終わろうよ。)
「まだ終わっちゃいんじゃん。ここで止めすと課長なんかゆってくるにい。」
(まだ終わってないじゃないか。ここで止めると課長なんか言ってくるよ。)
「しらすけえ。はあ時間だもんでとっとと帰りゃいいじゃん。」
(知ったこっちゃないよ。もう時間なんだからとっとと帰ればいいんだよ。)
「確かに!でもでけるだか?」
(そうだね。でも出来るの?)
「でけたら苦労しんわなあ。」
(それが出来たら苦労しないわなあ。)
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