遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州弁的言い回し
「で」
重宝というか、頻繁に使われる言い方。
共通語だと「で」は「それで」の短縮形などと判断されようか。
しかして遠州弁に於いては「それで」以外に「ので」・「から」などといった意味として使われることが頻繁である。
「ので」の「の」抜きという感じでは無いように思える。
まあ、遠州独特というものではなく広い地域でそうなのであろうが、顕著という意味ではこれを使えば遠州弁っぽくなるものである。
「買い物したので懐がさびしい」→「買い物したで財布んさぶい」
「明日朝早いからもう寝るよ」→「明日朝早いでちゃっと寝るでえ」
「買い物した、で、財布んさぶい」と切るのではなく「買い物したで、財布んさぶい」となる次第。
ちなみに「それで」は「だで」を使う事が多く「なので」は「だもんで」が使われる事が多い。
「天気予報じゃ雨だそうな。それで傘持って来た。」→「天気予報じゃ雨っつてただよ。だで傘持って来た。」
遠州弁的言い回し
「かんべんしよゑ」
発音を説明するのが難しい。
ちょっと古い言い方で最近日常ではあまり耳にしない言い方ではあろうが。
「かんべんしよゑ」
「ゑ」は英語の「YEAH」と同じ発音と言えるかもしれないが
とにかく「え~」でも「いぇ~」でも無いことは確かだ。
説明が難しいので実際遠州人に言って貰ってくだされ。それが一番手っ取り早い。
で、この言い回しのニュアンスについて
無論意味は「勘弁してくれ」というものであるが
ニュアンス的には「もういい加減にしてくれよな」といった悪い(ついてない)事の追い打ちといった体と「本当に嫌だ」と拒否してる体とかで使われる事が多い。
別の言い方で訳せば「もういやだ」と訳せなくもないか。
「うんざり」とか「参ったなあ」とかいった感情が籠もる。「お願いだから」・「後生だから」というニュアンスと強めの及び腰を表わすという意も含まれるか。
拒絶というものだと「かんべんしよやあ」という言い方になる。「やあ」を使う方が強い非同意感を表わす。訳さば「ごめんだね」・「まっぴらだ」くらいであろうか。
どちらも男言葉で女性が発することはまず無い。
下手に出てる順だと(あくまで極端な一例)
「頼むで勘弁してやあ」>「勘弁しよゑ」>「勘弁してやあ」>「いやだでねえ」>「なんでだあ」>「冗談じゃあらすけえ」>「ばかっつら」
とかになろうか。「なんでだあ」以降は下手でもなんでもないが。
ちなみに女性の場合
「かんべんしよゑ」は「いい加減にしてやあ」辺りであろうか(実はこれだというのが思い付かない)
「かんべんしよやあ」は「かんべんしてやあ」が妥当だと思われる。
例文
「戻ったにい。ど疲れたやあ。」
(今戻ったよ。いやあ疲れた。)
「ご苦労さんです。で、疲れてるとこ悪いだけどやあ、Bさんとこ行ってくれんかねえ。」
(ご苦労様です。それで疲れているところ申し訳ないのだけれど、Bさんの所に行って来てもらえないだろうか。)
「ゑ~。かんべんしよゑ。今日もう、さんざっぱら働いたじゃん。」
(そりゃあないよ、勘弁してくれよまったくぅ。今日はもう十分働いたじゃないかあ。)
「急に連絡入っただもんでしょうがないじゃん。今他誰もいんだもんで頼むにい。」
(急に連絡が入ったんだから仕方ないでしょうが。今他に行ける人誰もいないんだからお願いしますよ。)
これが「やあ、かんべんしよやあ」だったら完全に俺は嫌だと言ってることになる。「しよゑ」を使うと文句たらたらの愚痴という程度に収まる。
遠州弁的言い回し
「なにせえきただ」
こういうのは流石に遠州独特であろう。(まあ隣接の地域は使ってるやもであるが)
「なにせえきただ」を訳さば「何しに来たんだ」ということになる。
言葉通りの使い方もされるが、以下のようにちょっとしたニュアンスを含む使い方もある。
例を挙げると
「やあおめえ今更なにせえきただあ。」
(おいなんだよ今更何しに来たんだよ。)
のこのことかいった間が悪いとかいった、とにかく「遅い!」と言っている。
大概はもう済んだ後にとかいった頃合いで今頃来ても何の役にも立たないというものである。
もちろん「場違い」とか「来るなと言ったのに来た」などといった状況で来た事に対して非難しているという使い方も存在する。
他の言い方としては
「なにしいきただ」
これは意味使いはほぼ同じであるが、単純に来た動機・理由を訊いているといった勢いが強くなる。
つまり「なにせえ」は問答無用で不服という勢いで「なにしい」は一応聞く耳はあるという風な勢いに聞こえる違いがある。
純粋に何をしに来たのか聞いてるという場合には
「なにしにきただ」
とかになる。
いずれも基本男表現で、女性表現の場合には
「だ」・「だあ」が「よ」・「よう」になる。
遠州弁的言い回し
「てん」
「てない」の撥音便化したものであろうか。まあ、それ以外にも意味使いは存在するのであるが。
例えば「言う」
「いってんと」→「言っていないで」
「いってんで」→「言ってないで」
「いってっと」→「言っていると」
「いってんだ」→「言っているんだ」
「いってんら」→「言ってないだろ」
「いってもしんに」→「言ってないだろうが」
関西だと「ゆうてんで」・「ゆうてんと」とかになろうか。遠州では「ゆう」を使う際には「ゆってんで」・「ゆってんと」などとなる。「言う」の「う」は別にう音便とは関係ないが好みというか傾向として「う音便」より「促音便」が好きということがこういうとこにも出ているであろうと邪推するものである。
広い範囲で使われる言い回しであって遠州独特というものでは決してないが。
「てない」の「ない」が「ん」になったというよりも「てぬ」・「ていぬ」の「ぬ」が「ん」になったと考える方がなんかしっくりくると思えるのは自分だけか。
より遠州弁っぽくするには「ちゃいん」を使うとより「っぽく」なる。
「言っていないで」→「いっちゃいんで」
「言ってないで」→「ゆっちゃいんで」
「言ってないよ」→「ゆっちゃいんに」
「言っていると」→これは「ちゃいん」・「ちゃいる」は使えない。
「言ってないだろ」→「ゆっちゃいんら」
「言ってはいるが」→「いっちゃいるが」
「ちゃいん」は「てはいない」・「ちゃいる」は「てはいる」の変と思われる。
「言う」を「いう」と発するか「ゆう」と発するかについては遠州はどちらも使う併用の地域であろうか。
遠州弁的言い回し
普段声掛けする際どう発しているか。というのを勘繰ってみる。
声掛けする際
「あのよう」と発せば「名古屋かっ!」というツッコミが入って当然。まず遠州では使われない。遠州人が受ける印象としては非常に馴れ馴れしく感じる。
「あんなあ」とかだったら関西っぽく感じられる。遠州人からしたらそう言われたらちょっと批判・反論を言うための枕詞なのかと思ってしまいがち。遠州ではそういう意味合いの使い方をよくするからである。
「あんたあ」は滅多に使われない。
「あの」・「あのう」は共通語兼関東ってか。「すいません」って手もあるな。
じゃあ遠州弁ではとなると
「あのさあ」が普通か。
ぐでぐでだったら
「あのやあ」・「あんねえ」辺りか。
緊急性を要すなら、共通語なら「ねえ」とか「ちょっと」のところを
遠州弁では「やあ」(旧なら「やい」)女性なら「おい」(旧なら「ほい」)であろうか。決して喧嘩売ってる訳では無い。
「ねえ」だと流石に馴れ馴れし過ぎて親しくも無い人に向かって発せば怪訝な顔される。あくまで「ねえ」は身内及び親しい間柄の場合に限るべきものであろう。
ちなみに遠州弁という括りを外して遠州ではということになると
共通語と同様「あの」・「あのう」を使うものである。
つまり普段は呼びかけに関しては共通語を使用しているものである。ただし身内扱いの人には「やあ」・「おい」を多用する傾向はある。