遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州弁的言い回し
ニュアンスの違い
「どじらんかお」と「しいらんかお」
まあ、どっちもどっちといったもので大して違いがあるわけではないが、そこをほじくりまわすと多少の違いは捻り出せそうかなと。
「どじらんかお」は一切見て見ぬ振りを押し通している様
「しいらんかお」はすっ呆けを押し通している様
知っているのに知らない素振りということであれば「しいらんかお」が使われる事が多い。
知ろうともしないという事であれば「どじらんかお」が使われる事が多い。
例えば非常に忙しい最中において
「しいらんかおして自分の仕事ばっかしてる。」であれば忙しくて手伝わなければいけないのを当人は承知しているが手伝おうとしなくて怒れると言っている。
「どじらんかおして自分の仕事ばっかしてる。」であれば忙しかろうとそうでなかろうと関わりなく自分の仕事しかしなくてむかついてると言っている。
なおイントネーションについては
「しいらんかおして」は「し」・「ら」・「か」をそれぞれ強く発する。
「どじらんかお」は平坦(抑揚をつけない)であるが「かお」の「お」は小文字の「ぉ」といった感じで小さく発する。
遠州弁的言い回し
イントネーションの違いでニュアンスも変わる。
今回のお題は「いいのけ」
最初の「い」と最後の「け」を強く言う「いいのけ」は
「それで本当にいいのか?」と確認してる。もしくは「間違いではないんだな?」と訊ねている。
共通語に置き換えるとしたら「いいのか?」となろうか。
「け」のみを強く言う場合「いいのけ」は
「本当にそれでいいんだな?」と念を押している。もしくは「間違えてるだろうそれ」といった再考を促す感じ。少しいじわるな印象を与えかねないこともある。
共通語に置き換えるとしたら「いいんだな?」とかであろうか。
全て抑揚をつけずな平坦で発するということは無い。
「いい」を「ええ」とする言い方も存在するが、意味的には違いはないように思われる。
遠州弁的言い回し
普段使われる言い方のニュアンスをば
この記事では
「うそぉはあやっちゃったにい」
訳さば「え~?もうやっちゃたよう。」もしくは「そんなあ、もう手を付けちゃったよ。」といった感じであろうか。
勢いとしては「やれやれ」とかいった程度で取り返しのつかない事になったとかいう深刻さは薄い。
真剣に「やばい」という勢いの場合。
「うそだらあ、はあやっちゃったにい」とかになる。
「うそぉはあやっちゃったにい。」の場合次に続くとしたら「も~どうするよを。」とかで
「うそだらあ、はあやっちゃったにい。」の場合「おい、どうしてくれるよを。」とかが続く。
ちなみに「よを」は男性女性兼用で男性のみの場合「だあ」となる。
とにかくこの言い方のつぼは「うそぉ」で「うそ」でも「うそっ」でもないとこが味噌。
遠州弁的言い回し
「ぶんぶん」
遠州弁といっても昭和の頃に使われ始めた言い回しであって
方言というよりも流行った俗語が地域に根付いたという範疇であろうかな。
共通語では「エンジンをぶんぶん回す」とかな勢い良い様・抑えない様を表わすものとして使われていようから、「ぶんぶん」そのものは別に方言というものではなかろう。
しかしその使いどころが共通語では使わないようなところでも使ってるというのが遠州での使われ方の特徴と思われる。しかも若者言葉という限定ではなくそこそこの年齢の衆も使っている。
「たばこぶんぶん」だと「たばこをいつもふかしてる」ということで「ヘビースモーカー」ということを言っている。決していっぺんに何本も口にくわえて吸うとか消したら新しいの消したらまた新しいのに火を点けるとかいった極端なことではない。
「ぶんぶんに酒呑む」だと「たくさん呑む」ということで嗜むの度を超えての「深酒上等」もしくは「抑えることなく呑む」と言っている。使い方によっては(今風で変な日本語であるが)「全然呑む」という意味使いとしても使われたりする。
他の共通語に置き換えるとするなら「どんどん」ということになろうか。でもなんかちょっと違う様な気がしないでもないところ。遠州弁としては他に置き換えるなら若干ニュアンスは異なってくるが「ばかばか」・「だあだあ」などというのがあるのだが。
ニュアンス的には抑制せずにイケイケどんどんといった勢いに任せてといったものを醸し出す効能を持つ。
そういう意味では「構う事無くどんどん」というのが「ぶんぶん」と言えるのかもしれない。「調子に乗って」という意味合いも多少は含まれていようか。
ちなみに「ばかばか」は「大量に」・「一気に」といったもので「だあだあ」は「際限なく」といったもので共に「調子に乗って」というニュアンスを有するものではない。
「ぶんぶん」のイントネーションについては「ん」の方を強く言う。って説明じゃあ変か。でもまあ「蜂がぶんぶんと飛ぶ」とはイントネーションが明らかに異なるものである。
遠州弁的言い回し
例えば
「買いなよ」と「買いない」
これはどう違うか。
「ない」を訳すにおいて「なよ」とするのが自然であるのだが。
しかして「ない」と「なよ」とでは若干ニュアンスが異なる。
「買いなよ」はタメ(同格)の物言いで
「買いない」は上が下へという物言いである。
遠州弁における「なよ」のニュアンスが共通語と違うのかどうかはよく分からないが、意味使いは同じでも立ち位置によって「ない」と「なよ」は使い分けられているものである。
若い衆が「ない」はあまり使わない(使えない)のもこういう理由が存在するからであろうか。
ちなみに下が上にという状況には「買ったら?」とか言うのが一般的であろうか(決して丁寧な言い方ではない)。
蛇足として、他には「なや」・「なあ」などとかいうのもあって
「買いなや」とすると「買いなさいな」といった勢いとなる。
「買いなあ」は言い方にもよるが「買えよな」みたいな強く推奨する勢いとなる。
例文
「う~んどうしっかなあ。今日逃すと二度と買えん気がするだよ。」
「んな悩んでるなら買いない。」
「でもお金足んないだよ。貸してくれるだ?」
「貸せれんなあ。金ん無いなら止めなあ。」
「しっかしなあ、う~ん諦めきれんかも。」
「金足らんで買えんだもんで諦めなや。」
「ない」・「なあ」・「なや」どれも「なよ」に置き換える事が出来るが、全部「なよ」だと単調な言い回しと映る。