遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
まあまあそんなこといわないでという意味。
遠州人の口癖みたいなもんで、場を落ち着かせようとか言う場合に使われることが多い。本気で怒ってる人にへらへら笑顔でこれを口走ると逆効果になるので決して万能の冷却剤ということではない。
その1で例文書かなかったのでその2で
例文
「わしそれ嫌いなんだよね。なんか味んえぐいもんで。」
「まあそをおわすとを、騙されたと思って飲んでみい。結構いけるに。」
「どこがよを。絶対嫌。」
「我関せずみたいな顔して寝ていやがる」と言っている。
味噌は「知らん顔」という言い方というかアクセントが独特だということ。
それに「ど」をつけてより遠州弁っぽくややこしくしている。尚、「どじらん顔して」と「しらん顔して」はイントネーションが異なる。
この「しらんかおして」のイントネーション「しらん」は国名の「イラン」、「顔」は「カオス」の「ス」抜きと同じと説明すればいいんだろうか。とにかく共通語と異なる。
「どじらんかおして」の場合だと「どじ」+「らん」+「花王」+「して」といった塩梅だと思っていただければ当たらずといえども遠からず。
使い方は大抵この言葉の後に「ホントおこれる」がつくのでふてぶてしい野郎だとか反省の色がないとかいう場合に使われることが多い。
例文
「なにちんぷりかあってるよを。」
(なにふてくされてるのよ。)
「も~。ガキはどこ行ったでえ。」
(う~。ガキはどこに行ったんだ。)
「そこんさあで寝えってる。」
(そこで寝てるけど。)
「やあ。どじらん顔して寝えってけつかる。」
(あ~そ知らぬ顔して寝ていやがんの。)
「なによを。なんかしたぁ。」
(どうしたのなんかあったの?)
「なんかじゃねえよ。目覚まし時計バランバランにしてはあ直りゃせん。」
(どうもこうもないよ。目覚まし時計ばらしちゃって使い物になりゃしない。)
「好奇心旺盛っつうこんだでええこんじゃん。」
(好奇心が旺盛な証拠でいい事じゃないの。)
「馬鹿ゆっちゃかん。明日起きれもしんに。遅刻したらどうしてくれゆよを。」
(なに悠長な事言ってるんだ。明日起きれないじゃないか。遅刻でもしたらどうしてくれるんだ。)
「いいじゃん寝にゃあ。どうせ会社で居眠りこいてるだら?」
(いいじゃないの寝ずに起きてれば。どうせ会社行って居眠りするんでしょ。)
「随分なことゆってくれるじゃんか。なんか問題すり替わっちゃやへんかあ?」
方言ということではないのだがよく使う表現として記載。
「好きにして」なんて女性に言われでもしたら男子としては鼻の下が伸びてしまうものであるが遠州では普通に聞かれる。と言ってもそういう意味で使われている表現ではなく「もうついていけない」とか「勝手にやってな」とかいう降参的あきれた意味使いとして使われているのである。
味噌は「はいはい」がつくところか。「も~」でも「へいへい」でもなにもつかなくても「好きにして」の意味に変化はなくそういう使い方でもニュアンスは同じであるが。
共通語でも「も~好きにしな」という使い方があるのと一緒。ただしニュアンス的には大きく違って共通語の「勝手にしろ」みたいな憤怒の感情などは微塵もなく遠州弁で使う場合はただひたすらあきれてるというニュアンスになる。まあそういった部分は共通語にもあるのだろうが。
男女兼用の表現であって女性専用の言い方ではない。
例文
「昔は3Kってのがもてる条件だっただにい。」
「汚い・苦しい・臭いのがかあ?どこがでえ。」
「高身長・高収入・高学歴っ!あんたたあ大違い。」
「なにょうこいとるだあ、わしだって3Kだにい。」
「どこがよを。」
「気ぜわしない・根性なし・口汚い。」
「・・・はいはい好きにして。」
参っちゃうよーという意味であるがこの言葉の味噌は意味ではなくイントネーション。「冗談じゃないよ」とか「やってられないよ」というニュアンスとしても使われる。
肩こりの「こり」+関西弁それちゃうわぁの「ちゃう」+沖縄言葉のにいにいの「にい」
って分かりづらいか。とにかく独特である。
似たような言い回しとしては「懲り果てる」・「やんなる」。
例文
「どうよ順調けえ。」
(どう?順調にいってる?)
「それがさあ。全然進まんだよ。ホント懲りちゃうにい。」
(それがねえ。全然進まないんだ。もう参っちゃうんだから。)
「なんでえどうしたでえ。」
「きんのうおそまでゲームはまってやあ。んで寝不足なんだわ。」
(昨日遅くまでゲームにはまってしまってそれで寝不足なんだ。)
「そりゃ てめえん わりいん じゃねえか。」
(それはお前が悪いんじゃないか。)
皆が私をいじめるんだよ。ひどいでしょう?と直訳するとこうなるのだが実際はそういう意味ではないことが多い。
本当にいじめにあっての訴えかける場合に使われるのではなく、「ねえねえ聞いてよひどいんだからあ」とか「もう勘弁して欲しいよ。」と言う風な漫才で言う所の「いじられてる」状態だと訴えているような使われ方が多い。
「随分じゃん」もほぼ近いニュアンス。
本人は告げ口という意識はないことが多いのだが状況によっては言われた方は告げ口しやがってという誤解を招く場合もあるので注意を払った方がいいのは当然ではあるが。
告げ口と思われても本人覚悟の上の場合には
「ねえ、聞いてやあ」・「ひどいだにい」
とかがある。
例文
女子「んー、もー先生!男子みんなして女子のこといぢめるだにいひどいらあ。」
先生「おめえらなにしたでえ。言ってみい。」
男子「えー!なにもしちゃいんよお。みんなでせまいっつったら、わしら女子だでそんなこんせんっつうもんでほいじゃいてもしょんないで帰れっつっただけじゃんかあ。」
(え~!何もしてないよ。皆でやろうって言ったら、私は女子だからそんなことはしないって言うもんだから。それなら居ても仕方ないから帰りなって言っただけだもの。)
先生「そりゃなにや?女の子だで無理せんでええよっつった意味か?」
男子「当然じゃんなにいってるよお。」
女子「うっそだあ。邪魔だで帰れっつう風な感じだったにい。」
先生「だいたいなにせるつもりだっただあ。」
男子「相撲。」
先生「ん~微妙だの。」