遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「あん時の事思やああんた今日は楽だにい」だとその訳は
「あの時の事を思えばそりゃあ今日は楽なものだって」となる。
女性が発する言い回しである傾向が強い。まあ口癖の部類であろうな。
ニュアンスとしては「あれと較べればまだこっちの方がいい」。肝心なのは「まだ云々」つまり「まだまし」というニュアンスである。どっちも愚痴が出るような事だけど「まだまし」・「まだこっちの方がまし」としている点にある。
例文
「こないださあ。○○さん当番代わってっつうもんで代わってやったらまた代わってってゆってくるだにい。あんまりしょっちゅうで怒れたもんで断っただけえが懲りちゃうやあ。」
「あれえ奥さん。そんなの△○さんの事思やああんたまだいい方だにい。あの人なんか代わってじゃなくて『やって』だにい。」
「なんであんなこと平気でゆえるだかいねえ。」
「自分の事しか考えちゃいんだらあ。」
「贅沢は敵」。これを遠州弁の会話の中に入れるとなると
「贅沢は敵だにい」
旧遠州弁なら「贅沢は敵づら」
とかが即思い浮かぶところであるが、ぐでぐでの遠州弁にしようと頭を凝らすと
「ぜえたかあなんしょ敵だでねえ」・「贅沢するようじゃ終わりだにい」
例文
「今月苦しいだ。なんとかしんとヤバイだよ。」
「その割にゃあ洋服買ってるじゃん。」
「そりゃたしなみってもんは大事だらあ。ぶしょったい恰好じゃおれもへんに。」
「そんなおだいさまみたいな贅沢してるもんで苦しいだよ。今不況なんだから贅沢するようじゃ終わりだにい。別腹じゃ済まんだにい。」
「なにがよう、贅沢なんかじゃありもしん必需品じゃん。汚くしてろっつうの?服買うののどこが贅沢よを。」
「あんたねえ、んなの清潔にしときゃいいだよ新品ばっか着んでも。綺麗の意味はき違えちゃいん?」
「欲しがりません勝つまでは」。これだと
「欲しがっちゃかんだ勝つまでは」・「欲しがっちゃかんでえ勝つまでえ」
頭凝らすと
「欲しいなあ勝ってからにせよやあ」
「討ちてし止まん」
「なんしょとことん討つだあれ」
頭凝らすと
「おいしょ、やいしょ」
「てえあまる」は遠州弁の場合「手に余る」か「手が余る」か。
応えは「手が余る」。「手に余る」はそのまま「てにあまる」という事が多いが「てんあまる」と「ん」を使う使い手も存在するし「てあまる」という使い手もいる。もっとも実際は「手に余る」は「わしじゃ無理」もしくは「おえん」・「手におえん」などという事の方が最も多いが。
「てえそめる」は「手を染める」か「手で染める」か。
応えは「手を染める」。「手え」を使って「手で染める」と言いたい場合には「手え使って染める」とかになる。
「てえおえん」は「手に負えない」か「手では駄目」か。
応えは「手に負えない」。「手では駄目」という場合は「手じゃかん」もしくは「手じゃおえん」。
「てえひく」は「手で引く」か「手を引く」か。
応えは「手を引く」。
「てえふるえる」は「手に振動が伝わる」か「手が震える」か。
普通は「手が震える」。「振動が伝わる」だと「てえくる」とか言う。
つまりなんとはなしに「で」は「え」にはならないということであろうか。
なるということでは「を」・「に」・「が」は「え」にはなる。だからといって
「手に手を取って」という場合「手に手え取って」
「手と手を合わせて」だと「手と手え合わいて」
といった風に決して連呼「手え手え取って」・「手え手え合わいて」とかにはならない。当たり前か。
「手え手をとって」とか「手え手を合わいて」という風にもならない。
詰まり何某かのルールが存在するという事が想像でき単に長音化だという枠で片づける事ではないのであろうか。
「いい事じゃない」・「いい事だろう」。
あえて訳す必要のない言い回しであろうが他地域の人では絶対発しない遠州弁独特の言い回しであろうな。男女共用。
「いいこんじゃん」次に続く合いの手のパターンとしては色々あるけど
「どこがよを」(不同意)・「なにゆってるよを」(否定)・「そうけえ?」(同意)辺りかな。で、
「だってさあ云々」(不同意への説明)・「んなこたねえらあ」「だってそうじゃん」(否定+反論)・「そうけえじゃありもしん」(とぼけるなよ)とかで返すかな。
そこはかとなく親身ではない印象を受けるところである。
「じゃん」と「だらあ」の使い分けについては「~じゃないか」(決め付け)と「~だろう」(推量)といったニュアンスの違いであろうか。
例文
「あ~忙しい。いつんなったら落ち着くだいやあ。」
「商売繁盛だでいいこんじゃん。」
「なにゆってるよを。ウハウハなのは会社の方だけじゃん。私ら全然休みが取れんだに。」
「んなこたねえらあ超勤とかで結構くれるだら。」
「あんたねえこんなのずうっと続いたら体持ちもしん。金と時間どっちが大事だと思ってるよを。残業やる分友達減ってくだでねえ。」
遠州弁に於いても共通語に於いてでもそれぞれ異なる言葉であるが耳で聞く限りでは微妙な違いに聴こえてしまうというもの。
「どうしょうもない」・「どしょうもない」・「どうしょもない」。
「どうしようもない」。これを基準として考えていくと
ネットの辞書には、何をしても仕方がない、解決するための方法がないとある。
遠州においてもほぼこの意味使い。救い様がないという意味でも使われるのが辞書とは違うところか。
「どうしょもない」。
これだと辞書にある「どうしようもない」と同じかと。救いようがないという方の使い方はあまりしない。
「どうしょうもない」。
打つ手がない(八方塞がり)・救いようがないというニュアンスで使われる。「どうしようもない」と近いところであるが救いようがないというニュアンスが異なるところか。こちらの救いようがない様は匙を投げた呆れかえった感じがより強いものである。
「どしょうもない」。
他の言い方としては「どしょんない」。「ど」+「しょうもない」であり前の二つとは全くの別物。
これの意は救いようがないという意味一辺倒。つまり「ついてけない」・「あほかあ」などという事。呆れるを通り越して限りなく見捨ててるに近いニュアンス。
「あいつはどうしようもない」だと「あいつは何も期待できない」もしくは「制御できない」といったニュアンス。
「あいつはどうしょうもない」だと「あいつは手に負えない」
「あいつはどしょんない」だと「あいつにはホント困ったもんだ」
「どうしようもないだろうが」という場合
「どうしょうもありもしん」となる。これが「どしょうもねえら?」とかいう言い方になると「ホントに使い物にならないだろう」という意味になって打つ手がないという意味使いの場合では存在しない表現となる。
したがって「もう打つ手がないだろ?」と言いたいのに「はあどしょんねえら?」なんぞと言ったら「本当に使えない奴だろ?」と発したことになり騒動の元になる。
「あいつは本当にどうしようもない奴だ」(あいつは本当手に負えない)という場合
「あいつぁホントどうしょうもない」・「あいつホントどしょんないにい。」などという言い方が存在する。「あいつホントどうしょもない」とは屁理屈的には言わない筈だが実際そう聞こえる場合がある。こういうのは「「どうしょぉ」と発していて「ぉ」が聞き取れない事によるものであろうと勝手に推測している。