遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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それぐらいのという意味。略さずにいうと「それっぱかし」と「し」が入る。
「ちょっとばか(し)」(少しくらい)のように「ばかし」という表現が言いやすいように「BA」が「PA」に変わったと想像される。なので特に遠州弁という訳ではなさそうな気がしないでもない。
「転んだっつったって手えついただけじゃんか。それっぱかのこんでびゃーびゃー泣いちゃかん。あんた男だらあ。」
「それ」があるので「これ」も当然ある。
「おめえさあ、いちんちじゅうこきつかって働かせといてこれっぱかしかくれんちゅうのはひどかねえ?」
「それ」があって「これ」もあるから「あれ」もあるかというと、当然ある。
「あれっぱかのこんでイヤになるたあ根性ねえの。」
「それ・これ・あれ」があるから「どれ」もあるかというと、それはない。
どれくらいは「どんくらい」。
そうすると・それだとと言う意味。そうしないとと言う場合は「そんせんと」・「そうしんと」。
そうしようと言う場合は「そうせまい」・「そうしまい」・「そうせすか」。
あまりこれ以上細かく羅列しても頭が破裂しそうなので書かないが、上記以外にもたくさん表現がある。
例文
「あのさあこの道ずっと行くとどこ行くう?」
(すいませんこの道真っ直ぐ行くとどこに出ますか?)
「そうせすと県越えるにい。どこ行きたいでえ。」
(真っ直ぐ行くと県境越えるよ。どこ行くつもりなの。)
「なんとか寺ってとこ。」
(なんとか寺というところです。)
「ああ、ほいたらやー。一旦戻ってガソリンスタンドあったらあ?そこん西に折れてく道いきゃあ着くで、そっち行きない。こっちでも行けんこたあないけど曲がるとこわかりづらいでねえ。」
(ああそれだったらねえ。一旦戻ってねえ。来る途中ガソリンスタンドあったでしょ。そこで西の方に曲がる道があって、その道進めば着くよ。この道でも行けないことはないけど曲がるポイントがわかりづらいからねえ。)
「あ、ほんとにい。どうもありがとねえ。助かったよを。」
(ああそうですかご親切に有り難うございました。)
例文音声はこちら
そんなのはと言う意味。と、そんなねえと言う意味の二種類ある。イントネーションが違うので聞き違うことはまずない。もちろん字に起こすと一緒なだけで言葉そのものは全く異なる。
例文
「そんななあ夢見たいなことゆうてちゃかん。」
(そんなねえ夢みたいなこと言ってちゃ駄目だよ。)
「そんななあほかいといて先んこれやれやあ。」
(そんなのは放って置いてこっちを先にやってくれよ。)
例文音声はこちら
「それで」の「れ」が「い」になった。もしくは「そんで」の「ん」を「い」にしてる。といった言い方。
話しの流れに乗っかってる勢いが感じられる効能があろうか。
「それでなによを」(それでどうしたの?)
と言うよりも
「そいでなによを」
といった方がより興味がある(食いついてる)という意思を伝えている勢いとなる。
「そんでなによを」だと
こちらも「そいで」と同じ効能があったりするが、使い方によっては距離を置くというかちょっと突き放した感が無きにしも非ずと聞こえる場合もあり。つまり寄ると離れる(引く)の両刀使いな言い回し。
こういう言い方が遠州独特かは知らねども、少なくとも共通語ではないことは間違いなかろう。
他には「ほんで」という言い方もよく使われる。
ちなみに「それは」を「そいは」という風には遠州ではならない。
「それが」は「それん」になったりはする。「そいが」とは言わない。
「それがどうした」を「それんなによを」とかいう風に使われるものである。
「そうけえ」を訳すと「そうかい」となる。
ニュアンスでいうと「ふ~んそうなの」といった気の無い返答である。以前述べたが「すっ呆けた」印象を与えるものでもある。
意識してすっ呆ける事もあるし、「ああ」をつけて「ああそうけえ」となれば反抗の意思から聞く耳持たないとの意思表示とかでも使われるので用途は広い。
「ああそうけえ」を訳せば「ああそうですか」をつっけんどんに言う感じ。訳さば「あっそう」って感じか。
「おおそうけえ」となると納得・同意の範囲内で「ああそうなの」と言ってる感じ。「おお」は「応」としても意味は通る勢いである。訳さば「なるほどな」辺りか。
「う~そうけえ?」だと不同意もしくは不承知というか信じていない。訳さば「本当に?」といったところか。
「ええ?そうけえ?」では初めて聞いたとか意外だ。それか納得していない。訳さば「嘘だろう?」辺りか。
「ゐゑ~そうけえ」はほんとにそうなのか?と疑っている。冗談じゃないよという不満が籠もる事が多い。近いものを探すと「なんだよそれは」。
などなど。
このように「そうけえ」自体は無味なものであるが「ああ」とかを付けることによって色んな味がつく。
したがって「そうけえ」だけ発するとやる気(興味)が無いと判断される。
例文
「やあ今日やばかった遅刻するかと思った。」
「寝坊しただ?」
「いやそれがさあ、すんごい渋滞でさあ。一個の信号渡るのに3回も信号変わらんと渡れんかっただもん。」
「そうけえ。」
「なによう、冷たいじゃん。」
「いっそがしいだあ。聞いてる暇んない。」
例文音声はこちら