遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「あたま切る」(髪を切る)
といった風に「髪」という意味として使われ、その変化形として
「あたまやる」(散髪)
という使い方もしている遠州弁。
古語辞典を読んでたら、「あたま」(頭)・意味 ①髪 ②物事の始め と書かれてあった。
共通語でも「頭を丸める」(出家する)みたいな使い方もあり、遠州弁独特の言い回しではなく古語が生き残っていたということになる。
では、今の「頭」という意味は古語でなんというかというと「つむり」とな。
「おつむ」という言葉が未だ使われてるので死語というものではなさそうだ。
でもやっぱ遠州以外の地で「頭切る」と言うと「え?」と思われることに変わりはない。
例文
「ちょっとあたまやってくるでねえ。」
(ちょっと床屋に行ってくるよ。)
「あんたしょっちゅうあたまやり行くだねえ。」
(あなたしょっちゅう床屋に行くよねえ。)
「しょんねえらあ伸びたらうざったいだで。」
(仕方ないだろ伸びると邪魔臭いんだから。)
「そんなしょっちゅう頭切らんならんなら、はあいっそのこと丸めてきない。」
(そんな頻繁に髪切らなきゃいけないんなら、もういっそのこと坊主にしてきなよ。)
「勘弁しとくりょを。みばあ よくしんと こぶしょったいじゃん。」
(よしてくれよ。きちんとしてないと恥ずかしいだろ。)
「基ん ねぐさってる だでとんじゃかねえらあ。」
(基が基なんだから無駄なあがきでしょうに。)
遠州弁でお遊び
昭和の遠州弁だが。
遠州弁はとかく早口で聞き取りにくいと他所の人が言ったりもする。
それは単に耳慣れないイントネーションやお約束みたいなものを知り得ていないからに過ぎないと地元民は思うのだが・・・。
まあそれはともかく、じゃあやたらくしゃ文章の長い歌詞を早口に近い感じで唄う歌を遠州弁にしてみたらどうなるだろうかというのを試してみる。
と、いっても別に歌う訳じゃないが・・・誰か「別に唄ってもいいにい。」っつう人がいたら唄ってみてやあ、止めやせんでえ。
で、試すお題は「おちゃめ機能」
この歌をどこぞの方言で【歌ってみた】というのがあってほんじゃあ遠州弁でもと思って。元歌詞は載せないのであしからず
まずは曲に乗るとかじゃなく推敲として単純に遠州弁にしてみる。(変えなくてもいいとこまで変えてみた)解釈の間違いはご容赦を。
いつでも 好きだにい 君ん ちゅーしてやあ
忘れれんもんで 僕ん大事なメモリー
遠州焼きは主食になりゃあへん だったら上書きしちゃやあ
僕んさあ思い通りじゃんねえ
ずうっとぉ傍でえ視てるにい だでバックアップは任しょう(又は任して)
左から右へと 出来事は あっちこっちどっち
君はここに居るだ?誕生日まだ先だらあ?
はあいい加減小指から 見えもしん糸主張しちゃかん
ひょんきんな心臓の音 しょんない譫言 やっきりこいたなんて
気にしてるからに決まってるじゃん
そんでも信じて倖せんなれるよう 礼儀正しく
まざぁ些細な挨拶んとっからって おい 聞いて る?
中略
夢から なんしょ 醒めんで醒めんでえ ぬくとさ逃がさんで
まだ朝はたっぷりあるもんで あと5分 じゃなく10分待たいて
注、読解力が乏しいので「乾いた心臓の音」がどういう精神状態なのか判別できなかったので「普通じゃない」ということで「ひょんきん」を使ってみた。「高鳴る鼓動」であるなら「だあだあ」を使うところ。
「淡い」を「しょんない」としたのは「わずかな・少しの」=「むなしい」→「しょんない」という流れで。「気持ちが浅い」という意味であるなら「しょんない」は不適当であるが。
次(その2)ではきちんと歌にはまるよう整えてみる(いつになるかは分からんが)。それにしてもオリジナルは耳に残るいい曲だなあこれ。
遠州弁でお遊び
問題、次の遠州弁を共通語に直せ
「しいらんやあ。だれんいったよをそんなこと」
答え
「冗談じゃない。誰がそんな事言ってるんだよ」
蛇足
もちろん直訳ではない。
「しいらんやあ」を直に訳せば「しらないよ」であるが遠州弁における「しいらんやあ」のニュアンスは突き放す勢いが強いもしくは拒絶・拒否といった勢いが加味されるものである。
「知らないなあ」とそっぽ向いてるとか知らぬ顔するというものではない。面と向かって反論しているのが「しいらんやあ」。
「だれんいったよそんなこと」を直訳すれば「誰の発言だそんな事」というもので言葉の並びが特徴。遠州弁と往々にして並びが共通語とは異なることが多い。
遠州弁でお遊び
問題、次の共通語をこうは言わないだろうという遠州弁に直せ
「どうせなら一等を目指せ!」
「おう!てっぺんとったる。」
答え
「どうせだで一等目指しない。」
「まかしょ。てんこちょとったらあ。」
蛇足
「てんこちょ」では迫力・気迫共に欠ける。
上の先っぽが「てんこちょ」。
横の一番端っこが「とっつき」。ネット辞書に載ってるから共通語であろうが、そこでの解説は「いくつかあるうちの一番手前。例、角を曲がったとっつきの家」とあってなんか違う。これは共通語の「とっつき」は「取り付き」の変と勘繰られるもので
遠州弁での「とっつき」は「突端」(突き出た端)という意で使われることもあり必ずしも「一番手前」という事を表わすとは限らないのである。
例えば「堤防のとっつきまで行って来た」は「堤防の手前まで」ということではなく「堤防の一番奥(先)のとこまで」ということ。
こういう使い方が遠州独特なのかは定かではないが、共通語の「とっつき」と遠州弁の「とっつき」は別物と勘繰れなくもない。