遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「仰向き」。上の方を向くということ。「あおむき」というよりも「あおむけ」という言い方をする方が多い。遠州弁では普通には「あおむけんなる」で仰向けで寝る(横たわる)という状態を指す。
従って「あおむけ」の逆は「うつぶせ」で「うつぶせんなる」ということになる。「うつむけ」という言い方はほぼしていない。
「仰向きになる」とかは共通語であろう筈でそれが「あおむき」じゃなく「あおむけ」と言う事が多い程度のことは方言の部類に入るものではなかろうと思われるが一応こういう傾向は地方性があるかなと思って記載。
このほかにも遠州に於いては集落によって言い方が異なっている。
たとえば「ああむけ」・「あおのけ」・「ああのけ」とかが主に使われる集落があるそうな。これが遠州弁特有の表現なのかは定かではない。
そこでネット辞書で調べてみると「あおむく」(仰向く・あおむけるの文語形)・「あおのく」(仰のく・あおのけるの文語形)と記載されている。「あおむけ」・「あおのけ」もネット辞書に記載があった。なので方言といえるのは
「ああむく」と「ああのく」といった「あお」(仰)が「ああ」もしくは「あ~」となった場合であろうか。
つまり「のく」・「むく」はどちらを使っても(なんで「向く」が「のく」になるのかは知らないが)共通語の範疇で「あお」を「ああ」と発する部分が方言的ということになるのであろう。
ちなみに私が育った集落では「あおむけ」であり「ああ」・「あ~」とは発しなかった。
例文
「きんのうど暑かったもんでいちんち中部屋ん中であおむけんなって死んでた。」
(昨日は物凄く暑かったので一日中部屋の中で仰向けになってなにもしていなかった。)
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