遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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剃る(そる)という意味。(ま、遠州弁固有というものではないが。)
「ひげをあたる」という使い方。
「頭やってほんで髭あたってくるわあ」
遠州弁を知らない人には理解不能な表現ということになるのであろうか。「散髪してそれから髭を剃ってくるよ」と言っている。つまり床屋さんに行ってくるからねと言っている。
「かみそりをあてる」といった「あてる」いう使い方はこの「あたる」と同じなのかは定かではないがそういう表現もある。
「ひげをそりなよ」を「ひげあてない」と言うかというのは微妙だな。「ひげあたりない」と言う方がありえそうだな。
「そってあげなよ」を「あてたげない」と言うのは言いそうな気がする。
ネットの辞書では江戸語・東京語で、お江戸では「そる」を「する」と発し「する」は忌み詞にあたりそれを嫌って「あたる」を使うようになったと説明がある。
江戸・東京語となっているが、遠州でもこう言う使い手はいるということで記載。もっとも今は死語に近くなりつつあるが。
髭は男のみなので基本男言葉と思われる。無駄毛を剃るのを「無駄毛あたる」という言い方をするということであれば男女共用ということになるが、実際聞いたことがないのでおそらくは男のみの表現であろうと思われる。
「抜く」も「あたる」と言うかというと、。例えば「髭抜き」というのを「ひげあたり」とは言わないのであくまで「剃る」だけであって「抜く」を「あたる」とは言わないのであろう。
例文
「ちっと頭やってくるわあ。」
(今からちょっと床屋さんに行ってくるから。)
「あんた髪そんなありもしん。それにこないだ行ったばっかじゃん。そんなしょっちゅう頭やり行かんでも済むじゃないのけ?」
(こないだ行ったでしょうが。髪の毛薄いのにどうしてそんなしょっちゅう床屋に行く必要があるんだよ。)
「失礼こいちゃうやあ。髭は伸びるだで髭あたりに行くだよ。」
(失敬だなあ君は。髭は伸びるんだから髭剃りに行くんだよ。)
「んなの自分でやれんだけえ。」
(それくらい自分で剃れないの?)
「プロがやるのは違うだよ。」
「たださぼりい行きたいだけだら。」
(単にさぼる口実じゃないの?)
注、最後の文は直訳すると「たださぼりに行きたいだけだろう」とするのが正しい。
音声はこちら