遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
「あんた」と「あんたあ」で意味が極端に異なる訳ではないが遠州ではこの二種類を使い分けることが多い。
暴言的に述べれば共通語に訳したら「「あんた」=「あなた」で「あんたあ」=「あなたは」であろうか。ただし「あんたあは」と言い方もあるのであくまでそういうニュアンスだということで正しいことを言ってる訳ではない。
従って「あなたはいつだってそう。」という文章を
「あんたいつだってそう」だときつめな印象になり大分感情的な表現に聞こえる。
「あんたあいつだってそう」だと俯瞰的な要素があって冷静に判断して言ってる印象になる。
発音は「あんた」は「あ」がアクセント強めになる。これは全国共通か。
「あんたあ」については「あ」と「たぁ」にアクセント位置が置かれるパターンがあり、「たぁ」の場合距離を置いたよそよそしい(他人行儀な)感じになることがある。アクセントの違いによるニュアンスの違いについては存在するのだが説明する程の知恵がまだないのでいつか改めてということで。
例文
「雑草ぼうぼうだねえ。」
(雑草生え放題だねえ。)
「一本っつぬかにゃかんだかいねえ。」
(一本づつ抜かないといかないのかな。)
「草刈機とかないだ?」
(草刈機みたいなのはないの?)
「今そうゆう時期だもんでうちんの親戚んとこに貸してて無いだよ。あんたぁとこのわあ?使えんだか?」
(今こういう時期なんで家のは親戚使うっていうことで貸してあるんだ。あんたとこのはどうなの?使えないの?)
「うちんのぼっこくなったもんで修理だいてるで今ないだよ。」
(うちのはボロくなったんで修理出してて今無いんだ。)
「そんじゃどうする?」
「今日のところはやめにしまいか。」
「そうだの。機械戻ってきてからにしまいか。」
この文章で「あんたぁ」ではなく「あんた」を使うと問い詰めてる感じになり「あなたの使えないの?」という訳に変わることになる。従って返す言葉も「悪いのっ」(悪いけど)などという言葉が付け加えられることになる。
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