遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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共通語として「覆い被さる」という表現が存在しているので、特に遠州弁ということでもないのだろうけど「かぶさる」だけで色々と使うというところが方言チックかと思い記載。
当然意味は「被る」と言う意味。被せるの変化したものかどうかは定かではない。被せるだと意思が感じられるが「かぶさる」は意思の範疇ではなく状態を示す感じである。
「覆いを被せる」という共通語を遠州弁に変換するときには「覆いをかぶさる」とはならないということである。「覆いがかぶさる」(覆いが被っている)であり「覆いを」と言う場合は、「覆いをかぶす・かぶさす」となる。
もう少しわかりづらく説明しようと思ったのだが書いててこんがらがってきたのでこの辺で。とにかくニュアンスを説明しにくい言葉であるということである。
というのも「さる」という言い回しが丁寧に言う際の「おいでなさる」の「さる」(しゃる・助動詞・せらるの変化・せられる)とごっちゃになっているからである。ここで紹介している「さる」はその状態になっているという様を表すための言い回しであるのだが、その境界線がよく見えないのである。例えば「とんまさる」はどっちなんだとなると「お捕まりになられた」とも考えられるし「捕まる」とも考えられるのである。
被っているは「かぶさってる」
被せるはそのまま「被せる」若しくは、「かぶす・かぶさす」
こういう「さる」表現の言い回しは他には「おぶさる」・「とんまさる」とかがある。
例文
「あの山のてんこちょに雲んかぶさると明日は雨だで。」
(あの山のてっぺんに雲が被ると明日は雨になるから。)
「だでなによを。」
(だからなに?)
「だで明日あ雨だで外行く時傘忘れんでっつうこん。」
(だから明日は雨降るから外出するなら傘忘れずにってこと。)
「すけなくとも一歩もいごけん入院患者同士の世間話じゃないわなあ。」
(少なくとも一歩も動けない入院患者同士の世間話しじゃないよな。)
「まあそりゃそうだのえ。」
(まあそりゃそうだねえ。)
例文音声はこちら