遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「かやす」も「かあす」も「返す」ということなのだが。
使いどころが異なるのは遠州弁だけか?んなわきゃないか。
「かやす」は、返納するといった物を戻すといった場合に使われる。
「かあす」は、裏返すといった物の面の表を変えるような場合に使われる。
「ひっくりかえる」だと「ひっくりかある」
「ひっくりかえす」では「ひっくりかあす」
「裏返る」だと「うらっかある」
「裏返す」だと「うらっかあす」
「裏側」を「うらっかあ」と言うので紛らわしいのであるが「裏側に裏返す」だと「うらっかあんうらっかあす」となる。
もちろん厳密な使い分けがある訳ではなく。「ひっくり返す」という場合上の屁理屈でいけば「ひっくりかあす」であるのだが現実には「ひっくりかやす」という人も大勢いるのであくまで大雑把な違いで実用的には大差ないということである。
「かあす」は「かある・かあった」とかになるが「かやす」は「かやる・かやった」とかいう風には変わらない。
漢字にしたら「返す」で同じだけど単に訛り方の違いとかじゃなく全く別種の言葉なのかもしれない。
共に男女共用の言葉。
例文
「こないだ のぶさあに借りた○○かやいただ?」
(この間のぶさんに借りた○○返した?)
「や、忘れかあってたわあ。そうゆやあ借りっ放しにしてたやあ。」
(あっ!忘れかえってた。そういえば借りっ放しだった。)
「ちゃっとかやいた方いいにい。」
(直ぐ返したほうがいいよ。)
「やいやいなんか垂れてるやあ。変なのこぼいただかいやあ。」
(おいおいなんかこびりついてるよ。なんかこぼしたのかなあ。)
「拭くかなんかできんの?」
(拭くとかして落とせないの?)
「うらっかあにしてかやしゃあばれんで済むかいやあ。」
(裏返しにして返せばばれなくて済むかなあ。)
「そりゃまずいらあ。」
(それはまずいでしょ。)
「かあしてかやしゃ時間稼げるかもしれんし。」
(裏返しで返せば時間稼げるかもしれないだろうし。)
「稼いでどうするよを。」
(稼いでどうすんのさ。)
「うまくいきゃあすっとぼけれる。」
(うまくいけばすっ呆けられる。)
「馬鹿こいてんで駄目もとで拭きない。」
(下らないこと言ってないで駄目もとで拭いてみなよ。)
「駄目だったら?」
「弁償するだあれ。」
(弁償するに決まってるでしょ。)
「わからんよを。いいっつってくれるかもしれんじゃん。」
(それはどうかな。許してくれるかもしれないだろ。)
「ならかやしいいきない。ちゃっとを。」
(だったら今すぐ返しにいきなよ。)
「そりゃちょっと。」
「はっきししない。どうせるだ?」
(はっきりしなよ。どうするの?)
例文音声はこちら