遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州独特かは不明だが少なくとも共通語ではなさそうだから。
・・・と思ったのだが、でもそうでもなさそうだった。
「かゆい」(痒い)を「かい」と発す。
「やあ、蚊に喰われただか知らんが馬鹿かいやあ。」
(も~、蚊に刺されたのか分からないけど凄く痒いよう。)
「かいい」というのは結構広い地域で発せられるであろうが
「かい」と発するとこはそうはないと思えるのだが、果たして如何に。
一応ネット辞書で調べたら
「痒い」かい。痒み。かいい。とあった。
「かい」は共通語だったのか。でもなんか方言っぽいと感じるよなあ。「かゆいところ」を「かいとこ」と発すのは方言と言われそう。まあ俗語の範疇なのかな?
「かいくてもかいちゃかんに。いつまでもかいままんなるでえ。」
(痒くてもかいては駄目だよ。いつまでも痒みが収まらなくなるから。)
言葉遊びとして「いいでかいいでてでかいて」(いいで痒いから手で掻いて)。
ちなみにいつ何時でも「かい」しか使わない訳では無く「かいい」・「かゆい」も併用するものである。
なんでこう言うのかは不明だが、勘繰るならば「かいい」の「い」抜きと勘繰るのが自然ではあるかな。もしくは「かい」に強調する意の「い」を足してるか。
遠州弁的には「かいい」は自分の痒さをモロに訴えてる勢いが強い。「かい」とすると痒みがあるくらいの抑えた勢いを感じる。
我慢できないくらいの痒さなら「かいい」我慢できてる痒さなら「かい」と分けてるとも言えそう。
例文
「蚊にぼこぼこ喰われて馬鹿かいいやあ。」
(そこらじゅう蚊に刺されてすげえ痒いよを。)
「外でバーベキューすりゃこうなるだで ちっとばか かいくても 我慢するだあれ。かいっつってやたらくしゃかいちゃ駄目だに腫れるでえ。」
(外でバーベキューすればこうなることなんだから少しくらい痒くても我慢するもんだ。痒いからってやたらと掻いちゃだめだよ腫れるから。)
「ムヒかなんかないだけ。かいくてホント堪らんて。」
(ムヒかなんかないの?痒くて堪らないんだけど。)
「ひゃあひゃあうっさいなあ。ムヒなら痛快無比のわしの蹴りいれたらかあ。痛くてかいいどころじゃなくなるにい。」
(ごちゃごちゃ五月蝿いなあ。ムヒなら痛快無比な俺の蹴りを入れてやろうか。痛くて痒いどころじゃなくなるから。)
「そんなムヒいらんわあ。」
(そんなムヒなんか遠慮しとくわ。)
音声はこちら
遠州固有というものではなくネットで調べると甲州でも使われているらし。
共通語の「かじる」(齧る)だと辞書では、「堅いものを切ったりむしったりしないで丸のまま歯でかみ切って食べる。」とあるが
遠州弁の「かじくる」は激し気味に爪で引っ掻くというもので意味としては別物ということになる。
共通語は「歯」だが遠州弁では主に「爪」という違いが大きい相違点である。
漢字にすると「掻じ繰る」とか「掻じ刳る」とかになりそうな雰囲気であるが正しいことは分からない。
「くる」ということで「繰り返し」といった意味合いもこもっていそうであり、「激しく」とか「強く」という以外にも「何度も」というニュアンスが「かじくる」にはこもっていそうな感じはする。
共通語に直すとしたら「かきむしる」ということになろうか。
ちなみに「激しくかきむしる」だと「かじくりまわす」とかいう言い方になる。
使い方例として
「蚊に喰われてばかかいくてもかじくらん方がいいに。」
(蚊に刺されて凄く痒くてもボリボリ掻かない方がいいよ。)
音声はこちら
痒いところを強く掻くという使い方で、「爪」ではなく「孫の手」とかな道具を用いて強く(もしくは何度も)掻いた場合に「かじくる」と言うかというと、無いとは言い切れないところなので「爪」限定とは決めつけられない。
なお、「ネズミがコードかじくったもんで断線した」とかいった言い方もあり、これは「齧繰る」で「齧り倒す」というものと邪推される。
そうなると、遠州弁には「齧繰る」というのと「掻じ繰る」という二種類の「かじくる」が存在するとというのが勘繰られる。
まあ、「かじる」の強調形と考えれば変な屁理屈こねなくともいいか。
こういう言い方は他だと「ほじる」を「ほじくる」というのが思い浮かぶが、これだと共通語っぽく思えるところ。